ショベルカーもロードローラーもそういや「黄色」! 言われてみれば不思議な「重機はなぜ黄色」なのか? (2/2ページ)

“働く機械=黄色”というイメージが定着

 こうした視認性に基づいた色が黄色であることのほかにも、興味深いのがその歴史だ。現在の重機といえば黄色というイメージが作られたのは、アメリカの建設機械メーカー「キャタピラー」の影響が大きい。しかし同社は1931年に機械の標準色を、それまでのグレーからハイウェイイエローと呼ばれる黄色へ変更したという歴史がある。つまり、初めから重機が黄色だったわけではないのだ。

 むしろ、道路工事やインフラ整備が拡大するなかで、路上や現場で見えやすい色が求められ、その結果として黄色が選ばれていったのが正しい流れだろう。この流れは、単なる塗装の変更にとどまらなかった。巨大な機械が黄色い姿は、人々の記憶に残りやすい。灰色の機械が風景に沈み込むのに対し、黄色の機械は現場のなかで明確な存在感を放つ。安全のための色が、いつの間にか企業の顔となり、さらには業界全体の標準のように広がっていった。

 こうした歴史から作られた黄色は働く機械らしさを感じさせる色となり、子どもの玩具売り場を見ても、ショベルカーやダンプカーの模型は黄色であることが多い。絵本やアニメでも、工事現場を表す色として黄色い重機が描かれる。さらに、道路清掃車やフォークリフトのような作業車も、黄色やオレンジで表現されると、私たちはすぐに「作業中の車両」「現場で働く機械」と理解しやすいというイメージが刷り込まれているのは確かだろう。

 こうした黄色というカラーは汚れとの相性も悪くない。建設現場では泥、砂、油、粉じんは避けられない。道路清掃車であれば、路面のほこりや泥水を浴びることも多い。フォークリフトも、工場や倉庫、港湾でタイヤの汚れや荷物の粉じんにさらされる。こうした環境下では白だと汚れが目立ちすぎ、黒や濃い灰色であれば夜間や影のなかで見えにくい。しかし黄色は汚れてもなお車両の輪郭を保ちやすいという一面もあるのだ。

 とはいえ、すべての重機や作業車が黄色というわけではない。メーカーによってはオレンジ、緑、青、白などを使う例もある。林業機械や農業機械、港湾用機械、自治体の道路維持車両では、用途、地域、管理者、ブランドによって異なる色が採用されることもある。道路清掃車でも、自治体名や会社名を目立たせるために白や緑を組み合わせることがあり、フォークリフトもメーカーごとに独自の色をもっている。

 それでもやはり重機などは黄色というイメージが強いこともまた事実。普段は気にしないかもしれないが、どこかで重機を見たときに、そのボディに塗られた色について少しだけ思慮を巡らせてみてはいかがだろうか。


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