メーカーをまたいで国産EVに一気乗り! EVはつまらないなんて誰が言ったんだって思うほど個性たっぷりだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■国内メーカーのEVを一気に乗れる関係者向けの試乗会が開催された

■場所は日産自動車のテストコース「グランドライブ」

■日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の嶋田智之氏が国産4モデルを試乗した

気になるEVをイッキ乗り!

「日本メーカー各社のEVに一気に乗れる機会があるんですけど、いかがですか?」というお誘いを編集部からいただいて、断る理由なんてあるわけがない。何せこんな仕事をしてるからといってすべての新型車にサラッと乗れるはずもなく、チャンスをいただいてもほかの予定とカチ合っちゃったり、クルマをお借りしようと思っても日程が合わなかったり。なので、仮にほんのちょっと触れることができるだけでもありがたかったりするのだ。そんなわけで某月某日、僕は神奈川県は横須賀市にある日産自動車の施設、GRANDRIVEへと向かったのだった。

 この日、“メーカー合同EV取材会”に出店していたのは、スズキ、ホンダ、マツダ、三菱、レクサス、日産という6つのブランド。試乗できるのは基本3台、時間が余ったら追加で1台、といった感じ。僕はそのなかからチョイ乗り試乗しかできてなかった1台と未試乗の2台を選ばせてもらい、スムースにコトが運んで終了時間までゆとりがあれば、さらに未試乗を1台、と決めた。

 試乗はGRANDRIVEのコースのみ。1周およそ3.8kmのなかに、整った路面、荒れた路面、峠道風のアップ&ダウン、低中高速それぞれのコーナー、高速道路の一部のようなちょっとしたストレート、首都高速などにありがちな段差といった諸々が適度に配されてる、いうなれば一般道路を再現したクローズドのテストコースだ。あくまでも日常的な走行環境でクルマをチェックするためのコースだから、それぞれの区間、コーナー、ストレートなどには制限速度が設定されていて、オーバースピードで走ると違反切符が切られる……ことはないけど、しっかり叱られる。

 撮影のための時間を考えたら……そこを2周? 上手くいって3周? マジかー!?

 まぁ触れられるだけでありがたい。試せることはかなり限定的だからちゃんとした試乗記にはできそうにないけど、逆に何もわからないってこともないだろう。んじゃ行ってみるか。

 とチョイ乗りしてみたら……。

■スズキ eビターラ

 今回の4台のなかでもっとも「ちょうどいいな」と感じたのは、eビターラだった。以前にもチョイ乗りしたことがあるのだが、そのときとまったく同じことを感じたのだから、そこが僕にとっていちばん印象的だったのだろう。

 まずはサイズ。絵に描いたようなBセグSUVそのものといえる車体は、いろんな要素を考えると日本では最高に使いやすい大きさ。後席が若干上下方向に窮屈と感じる人もいるだろうけど、前席はまったく問題ないし、このサイズのSUVとしては荷室も満足すべき広さといえる。実用性は充分。

 次にパフォーマンス。試乗車はFWDモデルだったが、174馬力に193Nmというアウトプットは、その気になればスポーティな走りを楽しませてくれそう。加速も速さも及第点を超えている。フットワークも軽快で、なかなか楽しい。

 ボンヤリと“このパワートレインをスイフトとかに積んだら、最高に楽しいBEV版ホットハッチができあがりそう”なんて思っちゃったぐらいだ。乗り心地は硬めで路面の凸凹にはわりと敏感。そういう意味では欧州車っぽいといえば欧州車っぽい。

 航続距離もカタログ上では500kmを越えてるし、今回のロングレンジ版でも価格は補助金を考えたら実質300万円少々。コスパもかなりいい。

 日々の相棒として考えると、かなり「ちょうどいい」のだ。

■レクサス RZ550e Fスポーツ

 今回の4台のなかでもっとも「文句のつけどころがないな」と感じたのは、RZ550e Fスポーツだった。全長4.8m、全幅1.9mという車体は個人的な好みからするとギリギリ許容というサイズだが、といって扱いに困るほど大きいわけじゃない。

 BEVだから当然とはいえ、走りのフィールが感動的なくらい滑らか、そしてふと気づいてビックリしたぐらいに静か。乗り心地は重厚にして快適、フットワークは軽快にして正確。前後にそれぞれ227馬力と268Nmのモーターをもち、0-100kmh加速は4.4秒という加速力は片鱗しか味わえなかったが、力強く俊足であることは疑いようがない。いかにもレクラス、いかにもFスポーツ、なのだ。

 でも、もっとも驚かされたのは、飛行機の操縦桿を連想させるステアリングのフィールだった。ロックトゥロックおよそ1回転の範囲内ですべてが、それもさほど不自然な感覚なしにまかなえちゃうのはステアバイワイヤであるから。つまり前輪と機械的なつながりはない。なのに、自然な操舵感が感じられるばかりか、路面からのフィードバックまで感じられるのだ。訊けばフィードバックを瞬時に再現してドライバーに伝えてるのだとか。クルマと対話してる感覚はとても大切だ。

 航続距離は582km。価格はツルシで950万円。決して高くないと感じた。


この記事の画像ギャラリー

嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
-

新着情報