【試乗】電動化時代への強烈なアンチテーゼ! マセラティMCプーラ・チェロがみせた「純エンジン車」のシビれる走り (2/2ページ)

走行中にわずか12秒でオープンエアドライブを楽しめる

 リトラクタブルハードトップは、50km/h以下ならばわずか12秒で走行中にもオープン&クローズが可能。ただし、そのためにはダッシュボードセンターに備わるモニターのタッチ操作を必要とするのは残念だ。オープン時にキャビンで感じるエアの巻き込みは、サイドウインドウをクローズしておけばきわめて軽微なもので、積極的にオープンエアドライブを楽しみたくなる。

「ネットゥーノ」とネーミングされたミッドのエンジンの最高出力&最大トルクは630馬力&720Nm。このスペック自体はMC20のそれと変わらないが、そのパワーフィールやスムースさには確実な進化が感じられる。低速域ではややこもりがちに思えるサウンドも、エンジンスピードが高まるにつれて官能的な響きとなるから、よりアクセルペダルを強く踏み込みたいという衝動が自然に生まれるのだ。組み合わされる8速DCTの制御も実に洗練されたもの。

 ドライブモードは「ウエット」、「GT」、「スポーツ」、「コルサ」を選択できるが、GTではその名のとおりラグジュアリーなフィーリングが、スポーツやコルサではこのMCプーラに秘められたパフォーマンスを、ドライバーはよりダイレクトに感じることになる。

 MCプーラはコーナリングマシンとしてもきわめて優秀な一台だ。そもそもミッドシップという基本設計を採用しているうえに、コンパクトなV型6気筒ツインターボエンジンが車体センターの低い位置に正確に搭載されていること。そして何より軽量で強靭なカーボン製モノコックや、理想的な動きに終始するサスペンション、そして常にリニアな印象を崩さないステアリングが、MCプーラの走りを魅力的に演出しているのだ。

 近年このクラスのスーパースポーツでは電動化がひとつのテクニカルトレンドになりつつあるが、マセラティはそのネーミングとおりピュアに、そしてストイックなまでに内燃機関の、そしてミッドシップスポーツの理想像を追求してきた。そしてその選択が間違ってはいなかったことを、MCプーラの走りからは確かに感じることができた。

 わずかに2.9秒で0-100km/h加速をこなし、325km/hの最高速を可能にするというMCプーラ。スーパースポーツの世界における存在感はきわめて大きいものだと評価したい。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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