この記事をまとめると
■トラックの世界には暗黙のルールが存在する
■休憩中のドライバーがいるまわりでは配慮が求められる
■トラックを停めるときは周囲の状況を読み解く必要がある
トラックドライバー同士には通じるルール
道路の上には、交通ルールとは別に、現場で自然に受け継がれてきた暗黙のルールがある。それは明確に定義されたものではなく、毎日ハンドルを握り、時間と荷物と道路状況に向き合っているトラックドライバーたちが、経験のなかで身につけてきた作法のようなものだ。そんな暗黙のルールを知らないと「なぜそんな駐め方をするんだろう」「どうしてそんなに間隔を空けるんだろう」と思うこともあるかもしれない。しかし、車体が大きく、死角も多く、簡単には動けないトラックには、トラックならではの事情がある。
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とくにその暗黙のルールが表れやすいのが、駐車場やサービスエリア、道の駅、コンビニなどでの休憩中だ。走っているとき以上に、限られたスペースをどう使うか、まわりのドライバーにどれだけ配慮できるかが問われるのだ。そこで今回は、トラックドライバー同士にしかわからない暗黙のルールを、休憩や駐車の場面を中心に紹介していこう。
寝ているドライバーの近くは静かに
トラックドライバーにとって、仮眠はただの休憩ではなく次の運転を安全に続けるための、大事な仕事の一部。深夜のサービスエリアや早朝の道の駅では、カーテンを閉めて仮眠しているトラックが並んでいることがあるが、そんなとき、隣でドアを勢いよく閉めたり、大声で電話をしたり、エンジンを無駄に吹かしたりするのはNG。
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もちろん、出発準備で多少の音が出ることはあるだろうが、できるだけ静かに動くのが基本ルール。ドアを閉めるときも少し気をつけたり、仲間同士での会話や寝ているトラックの近くでは声のトーンを落としたりする。
必要なときは“コンコン”で知らせる
ただし、どうしても声をかけなければならない場面もある。たとえば、相手のトラックが出入口をふさいでいて自分が出られないとき。荷下ろしの順番が来ているのに本人が気づいていないとき。ライトがつきっぱなしだったり、荷台の扉が少し開いていたり、タイヤや車体に異常が見えるときなどが、それにあたる。そんなときは、いきなり大声で呼んだり、ドアを強く叩いたりしない。まずはドアを軽くコンコンと叩くのだ。そしてこのコンコンにもトラックドライバー同士の暗黙のマナーがある。
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強くバンバン叩くのではなく、あくまで控えめに知らせる。相手が起きたら、用件は短く伝えるのだ。休憩中の車内は仮眠場所であり、半分プライベート空間でもある。だから、必要がないのにむやみに叩くものではない。けれど、本当に必要なときの“コンコン”は、迷惑ではなく助け合いになる。つまり休憩場所では「寝ている人の邪魔をしない」が基本ルールだ。
冷凍車・冷蔵車は駐める場所に配慮する
冷凍車や冷蔵車には、普通のトラックとは違う気遣いがある。荷物の温度を守るため、休憩中でも冷凍機を止められないことがあるからだ。この冷凍機の音は、意外と大きくて響く。昼間なら気にならなくても、深夜の静かな駐車場ではかなり目立つくらいの音がするのだ。そのため冷凍車・冷蔵車のドライバーは、余裕があるときには駐める場所を考えるのもルールのひとつ。
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駐める場所としてNGなのは、仮眠しているトラックの真横や建物の入口近くだ。できれば少し離れた場所や、音が響きにくい場所に駐めるのが理想だが、駐車場が混んでいて選べないこともある。トラック同士なら、その事情もわかっているからこそ、どうしようもない場合はお互いさま、と相手を思いやるのもこれまた暗黙のルールといえる。