まったくフェラーリらしくないスタイリング
そして、この革新的パッケージング以上にセンセーショナルだったのが、そのデザインである。
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デザインを担当したのは、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターではなく、外部のクリエイティブ集団の「LoveFrom」。LoveFromは、元AppleのチーフデザインオフィサーとしてiPhoneなどを手がけたジョニー・アイブと、世界的デザイナーのマーク・ニューソンが2019年に設立したデザインスタジオである。そんなLoveFromにフェラーリからは「ゼロから定義する創造的自由」が与えられたという。
その結果、ルーチェは歴代フェラーリでも屈指の広大なガラスエリアを持つモデルとなった。妥協のないシェル状のグラスエリアがベルトラインの下まで伸び、ボディ両端まで広がるフォルムは、プロサングエの堂々としたSUVシルエットとはまったく異なる、まるで「ガラスに包まれた宇宙船」のような佇まいだ。
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キャラクターラインも最小限であり、空力処理こそ大胆だが、派手なダクトやウイングを誇張する方向ではない。
また、前後の浮遊感ある空力的ウイングの処理や、フロント23インチ・リア24インチという連続生産フェラーリ史上最大の前後ホイールなど、随所に「これまでのフェラーリにはない」要素が散りばめられている。一方で、丸型テールランプなどには歴代フェラーリを思わせる要素も残されており、完全に伝統を捨て去ったわけではない。
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インテリアも従来のフェラーリとは思想が異なる。近年のフェラーリはデジタル化を急速に進めていたが、ルーチェではさらにインターフェースを簡素化。サムスンディスプレイと共同開発した多層有機ELディスプレイを採用しつつも、手触りのよい機械式のボタンやベゼル付きメーター、トグルスイッチが絶妙に融合されている。
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パワートレインも規格外だ。各輪に独立した電気モーター計4基を搭載し、システム最高出力は772kW(1050馬力)、最大トルクは990Nmで、ローンチコントロール使用時にはホイール計測値でのトルクはじつに1万1500Nmに達するという。
フェラーリの公道仕様車で1000馬力を超える最高出力を発揮するモデルはこのルーチェで3台目であり、1050馬力という最高出力は、最新スペチアーレのF80(1200馬力)に次ぐもの。ちなみに0-100km/h加速は2.5秒で0-200km/h加速は6.8秒、最高速度は310km/hというバケモノだ。EVということで気になる人も多いであろう航続距離は、WLTPサイクル推定で530km超を確保。最大350kWの急速充電にも対応しており、20分で70kWhの充電を可能としているという。
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このように、コンセプトはFF・GTC4ルッソ・プロサングエから継承し、デザイン面では過去モデルをオマージュしたディテールを取り入れ、スペック面では最新スペチアーレに次ぐ超絶性能を誇るルーチェ。これだけを文字で追えば、それは紛れもなくフェラーリの最新モデルであるのだが、実際のルーチェの姿には、これまでのフェラーリの面影は一切ない。電動化により新時代へと踏み出したルーチェは、車名が示す通りフェラーリの未来を照らす存在となれるのだろうか。闇落ちして黒歴史とならないことを祈りたい。