トルクとの関係をあわせて見ることが重要
では、馬力、出力とはなにか、ということになる。馬力(最高出力)とは、回転数にエンジントルクを掛け合わせた数値のことだが、先ほどの例を使えば、最大トルク147Nm(15kgf-m)/4000rpmのエンジンが最高出力100馬力/6500rpmと表記されている場合、最大トルク147Nmに最高出力発揮時の回転数6500を掛け合わせたものが最高出力であるかといえば、これが違うのである。
最大トルクの発生回転数は、簡単にいえばエンジン機関効率がもっとも優れる回転域のことで、この領域から回転数が上昇すると効率は低下することになり、トルク値自体も下がってくる。だから最高出力は、許容回転数時(常用域の回転上限と考えてよいかも)の発生トルク値を掛け合わせた数値と理解しておこう。
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この出力を表す単位は、現在はkW(キロワット)が世界共通単位として使われているが、少し前まではいろいろな表記単位があった。現在も一般的な日本語の表現では、出力といわず「馬力」と表現する場合のほうが多いだろう。この馬力は英語表現のhorse power(=馬力、略すとHP)に由来するもので、発祥がイギリスであることから英(イギリス)馬力と呼ばれている。
その一方で、日本でも馴染みのあるPSの表記は仏(フランス)馬力のことだが、言葉自体はドイツ語のpferde(プフェート、馬) starke(シュテルケ、力)の頭文字に由来するもので、英馬力(HP)と同じ数値にはならない。PSとHPの関係は1PS=0.986HPとなっている。また、イタリアのCV単位があるが、これはCavallo(カヴァッロ、馬)Vapore(ヴァポーレ、蒸気)の頭文字を略したもので、仏馬力PSと同等の値になっている。
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このCVの由来が示すように、産業革命後に蒸気機関が定着し、その機関動力の単位としてCVやPS、HPなどが考案されてきた歴史背景を推察することができる。なお、馬力といっているが、実際に馬1頭の出力は4〜5馬力からピークで10馬力強に達しているというから、馬力がそのまま馬の頭数と考えるのは「お馬さん」に対してはなはだ失礼なことになる。出力の単位は、電気モーターを使うEVが登場したことで、kWを標準に考えるとわかりやすくなるかもしれない。