世界一過酷なダカールラリーにフライドポテトのキッチンカーで参戦! しかもポテトを揚げた油も燃料に使うってガチで面白い (2/2ページ)

本業とラリーへの情熱を融合

 そんなエルベ氏が、自身の本業を活かし、「大好きなダカール」と「本業のフライドポテト」を融合させたのは2009年のこと。実際のラリー中継では、「道中お世話になったみんなに、俺の作った最高のフライドポテトを食わせて笑顔にしたい」と、スポーツマンらしい清々しさが映し出されています。

 とはいえ、キッチン設備や食材のためにランクルの車重は1トンほど重くなり、「昼間はレースというより苦行のようなもの」と苦笑い。また、エルベ氏が使っている燃料は使用済みの料理油を再利用しており(バイオディーゼル)エコへの意識も抜かりありません。

 ところで、時速100km以上で砂丘をジャンプし、岩場を猛突進するダカール・ラリーですから、通常の業務用調理器具をそのまま積めば、最初のステージで壊れてしまうこと間違いなし。「ポテトを揚げる後部キャビンは過酷な環境(砂漠の熱と衝撃)に耐えるよう開発した特殊軽量パネルを使った。マシンの重心上昇を抑えるため、極限まで軽量化してるけどね」とエルベ氏はドヤ顔を浮かべます。

「ビバークでの調理後、油が冷めきる前に次のステージへ出発する状況に備え、油槽の蓋には高耐熱パッキンと、強力な圧着密閉構造を採用した。これで、車内への油ハネや悪路での漏れをシャットアウトできるのさ」と自慢気。いずれにしろ、ただでさえダカールを走るのは大変なのに、フライドポテトまでサービスするというのは頭が下がるというか、奇特きわまりないというか、フランス人てみんなこうなんでしょうかね(笑)。

 ともあれ、フライドポテトを揚げて使い古した「植物性揚げ物油」は、濾過システムを経てマシンの燃料としてタンクへ給油されるとのこと。「ポテトを揚げるほど、翌日ランクルが走る燃料が増えるんだ」とニヤリ。

 なお、エルベ氏は2026年もサウジアラビアを舞台にした「ダカール・クラシック」で、4度目となるキッチンカーでの激走を披露しています。過酷なラリーを走り終わったあとで食べる揚げたてのフライドポテトは、さぞかし美味しいことでしょう。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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