課題はあるが有力な選択肢
では、これ以外のゼロカーボン燃料はないのだろうか? もちろん、生産、製造に膨大なコストがかかり、加えて大量生産が見込めない燃料は論外だが、この要求に応える燃料としての可能性が見出されたのが、アンモニア燃料である。
ジャパン・エンジン・コーポレーション(J-ENG)が研究、開発を進め、2025年8月に公試運転(陸上)に成功している。機関の規模は、船舶用ディーゼルエンジンと考えてよく、出力100%負荷/アンモニア混焼率95%時に、亜酸化窒素の排出量が3ppm程度、温室効果ガス(GHG)排出量は90%以上の削減を実現したという。
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また、窒素酸化物の排出量は重油エンジンの約半分程度、未燃アンモニアの排出量はほぼゼロであることが確認され、アンモニア燃料運転モードでは重油運転モードと同等以上の熱効率であることも確認されている。
アンモニア燃料自体の性質は、燃焼速度がメタンの5分の1と遅く自発火温度が651℃と高いことから難燃性への対応が不可欠であること、燃焼により亜酸化窒素、窒素酸化物が生成される可能性があることなどからこれの防止策、またアンモニア自体に毒性があるため漏出を防ぐ安全対策の必要性、腐食性があるためシステム全体での耐腐食対策の必要性、などが挙げられている。
自動車用としてアンモニア燃料の内燃機関を実現させるためには、パワーユニット全体を軽量コンパクトにまとめなければならず、船舶用機関と較べるとまだまだ研究・開発の時間が必要となるが、内燃機関によるカーボンニュートラル(=ゼロカーボン)の実現に向け、また新たな可能性が提示されたことになる。
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ちなみにJ-ENG社、船舶用アンモニア燃料機関以外に船舶用水素燃料機関の開発も手がけ、実用レベルに達したアンモニア燃料機関は、ジャパンマリンユナイテッド社に出荷され、アンモニア燃料アンモニア輸送船の動力源として、目下建艦作業とのことだ。カーボンニュートラルを実現する乗り物として、その完成、就航が楽しみである。