アウディが1001馬力の新型スーパースポーツをリリース! 単なるR8の後継じゃないハイテク戦闘機の中身 (2/2ページ)

進化したクワトロシステムを搭載する

 パワートレインは、4リッターV8ツインターボエンジン(588kW=800馬力)に、前軸2基+エンジンとトランスミッションの間に1基、合計3基のアキシャルフラックスモーターを組み合わせたハイブリッドシステムだ。システム総出力は736kW(1001馬力)に達し、0-100km/h加速2.6秒、最高速度350km/h超という現代のハイパーカーにも見劣りしないスペックをもつ。

 確かにR8 V10が誇った自然吸気の高回転サウンドこそ消えたが、代わりにターボ+電動という新しい官能が用意されている。なお、このエンジンの最大回転数は1万rpmというから、レッドゾーンまで引っ張ったときの加速Gは想像を絶することだろう。

 そしてもうひとつ、アウディのアイデンティティである「クワトロ」の思想も新しい形で受け継がれている。どんなに強大なパワーがあっても、それを路面に確実に伝えられなければ意味がない。R8が証明してきた「4輪で路面を徹底的に掴む」という哲学は、ヌヴォラーリにおいても基本コンセプトとして息づいている。

 さらにこのクワトロに、アウディは秘密兵器を用意してきた。それが、次世代のシステムともいえる「クワトロ・プレディクティブ・ライド(予測型クワトロ)」だ。従来のクワトロはセンサー情報をもとにトルクを配分するシステムであったのに対し、ヌヴォラーリではステアリング角や加速度、ヨーレート、現在の路面グリップレベルなどのセンサーデータを高精度な車両状態モデルに基づいてリアルタイムで処理し、車両がコーナーでグリップを失う可能性を、滑る前に予測して制御する。滑りそうだとシステムが判断すると、フロントの2基のモーターによる可変トルクベクタリング、ブレーキ介入、さらにはアクティブエアロダイナミクスによるダウンフォースなどを統合制御し、車両の安定性と旋回性能を高いレベルで両立する。まさに「破綻しないスーパーカー」の究極形といえるだろう。

 デザインも大きく変わった。ヌヴォラーリはアウディの新しいデザイン言語を採用する最初の量産モデルとなる。個性的な面構成やシームレスな空力パーツ、大胆なプロポーションによって、従来のアウディ車とは一線を画す存在感を放つ。カーボン製外板(ボディパネル)と新世代ASF(アウディスペースフレーム)の組み合わせ、軽量化と剛性向上を両立している。

 ヌヴォラーリは499台限定の特別な存在であり、R8のような量産スーパーカーではない。だから厳密には「R8の後継車」とはいえないかもしれない。それでも、R8とヌヴォラーリはどちらも「アウディの本気のミッドシップマシン」という点では同じだ。R8がそうであったように、ヌヴォラーリもまたアウディの歴史の1ページとして語り継がれる存在となることは間違いないだろう。


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