バブルを知らない日本の若者が驚く北京モーターショーの熱気! いまの中国自動車市場はまさにバブル時代の日本のようだった (2/2ページ)

自動車業界は世代交代が始まりつつある

 日系ブランド車への評価は中国では今もなお高いのだが、その背景には、「壊れにくい」とか「燃費性能がいい」など、実用性に対する信頼の高さがあると感じている。腰を据えて開発し、たしかな商品を世に送り出すのは、自動車に限らず日本製品の特徴のひとつである。もちろん中国車もそこは追求しているのだが、「腰(フットワーク)の軽さ」という、日本車にはない側面は注目に値するものとなっている。

 BEVなどのNEVがメインとなる中国車では、制御プログラムのアップデートを頻繁に行ったり、短時間に進化させていくのである。さらに新しいトピックもすぐに採り入れ、自分たちなりに解釈して採用する。最近の好例では、デジタル計器盤(グラスコクピットメーター)があるだろう。これはそれまでアナログの針式だった計器盤に対し、全面に液晶パネルを採用することでデジタル表示にする(それまでのアナログメーターのようなものを疑似表示したりもできる)というものだ。

 そもそもこれは世界で初めて13代目トヨタ・クラウン ハイブリッドで採用されたものなのだが、その後は主に欧州高級ブランドモデルが積極採用して、広まるようになった。しかし中国系メーカーはいち早くこのトレンドをキャッチして、日本車がアナログメーターばかりのころから積極的に採用していった。

 センターディスプレイの大型化も進んでおり、中国系メーカーでは、家電の液晶テレビかと思うようなサイズ競争が過熱するなか、横長だけではなく、ディスプレイを回転させることで縦長にも任意にレイアウト変更できるモデルが、今もなお多数存在する。光り物が好きな国民性だけにイケるとの判断もあったのだろうが、あっという間に中国車では、デジタル計器盤がコンパクトモデルまで含めてデフォルトとなった。とにかくトレンドの変化(進化)がいまもなお早いのが中国車といっていいだろう。

 確実な線を狙い続け、それが世界で評価されてはいるものの、かつて世界をまさに席巻したころのパワーを維持しているとはいえない日本車に対し、残念ながら映えという面では、中国車が一歩先をいっているように見える。

 筆者は青春時代のころまでは、まさにクルマ以外でも広く日本製品に囲まれて育ってきた。しかし若い世代は家電やスマホなど身のまわりを海外ブランド製品に囲まれ、さらに安かろう悪かろうではなく、世界的にブランドとして確立した製品のなかで育ってきており、筆者の世代よりは、「ものづくり日本」というイメージが薄いのが事実だろう。

 筆者のようなオールド世代とZ世代のような若い世代とでは、同じ令和の時代に日本車を見ても、「見える風景はずいぶん違うんだな」と、若い世代のメディア人と話して感じた。少し前に「かつてのホンダ・プレリュードを知らない」と若い世代から聞いて腰を抜かすという、世代間ギャップを感じたことも思い出してしまった。

 日本車がもっとも輝いていたとされるのは、80年代後半から90年代あたりである。筆者の世代はバブル入社世代の最後ともいわれている。同世代は企業で定年退職の時期を迎え、あとは延長雇用でしばらく働くぐらいとなっている。つまりそろそろ日本の自動車メーカーでも、バブル経済を知らない世代があらゆる役職にてメインで活躍する時代がやってくる。

 まさに世代交代であり、そんな時代になってからの日本車は、輝きまくっていた時代を知らないからこその、新たな魅力を秘めたものになるのではないかと楽しみにしている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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