この記事をまとめると
■キッチンカーは全国のイベント会場などでなくてはならない存在だ
■使用するクルマは軽自動車からトラックまでさまざまだ
■誰でもすぐにできるわけではなく保健所への申請などが必要になる
キッチンカーを始めるために必要なこととは
オフィス街のランチタイムやイベント会場で、いまや欠かせない存在となったキッチンカー(移動販売車)。自動車としての機能と厨房設備を融合させたこの車両は、外食産業の新たなスタンダードとして定着しているようだ。そしてこれらの車両には、いくつかの種類がある。ベースとなる車両のサイズにより、特性が異なるからだ。大別すると、以下の3タイプになる。
・軽自動車タイプ(軽バン・軽トラック)
荷台にシェル(ボックス)を架装するか、バン内部を改装している。最大の武器はコンパクトさであり、狭い路地や都市部の小さなスペースにも進入が可能。ただ、スペースと給排水タンクの容量に限りがあるため、現場での複雑な調理は難しい。クレープ・たこ焼き・コーヒーのほか、あらかじめ仕込んだカレーの盛り付けなどといった、工程がシンプルなメニューに向いている。
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・普通車ワンボックス・バンタイプ(商用1BOX、1.5トントラックなど)
立って作業ができる高さを確保しやすく、調理スペースが格段に広くなる。給排水タンクも大型化できるため、現場で炒める・揚げる・茹でるといった本格的な調理が可能だ。弁当・から揚げ・ラーメンなど、幅広いメニューに対応する。
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・大型トラック・特殊タイプ
2トン以上のトラックをベースにしたもので、完全に「動く厨房」だ。複数人で同時調理が可能。大量調理・高速提供が求められる大規模フェスや、スポーツイベントに向いている。
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固定店舗に比べて低コストとされるキッチンカーだが、それなりの初期投資と法的なハードルが存在する。
・準備費用(約300万〜700万円)
費用の大半を占めるのは車両代と改装費。軽自動車の中古であれば300万円程度からスタート可能だが、新車の普通車トラックをベースに特注の厨房設備(コールドテーブル・フライヤー・コンロなど)を組み込むと、中古の軽自動車の倍以上となる600万円を超えることも珍しくない。これに加えて、初期の食材仕入れ費や運転資金が必要となる。
・営業手続き
キッチンカーを動かすには、以下のふたつの手続きをクリアしなければならない。
①:自動車の登録(8ナンバー取得)
特種用途自動車(8ナンバー)として、構造変更申請が必要だ。給排水設備や固定された調理台など、道路運送車両法の保安基準を満たす必要がある。
②:保健所の営業許可
「飲食店営業」許可を取得しなければならない。食品衛生責任者の資格も必要で、車両の給排水タンク容量(40L・80L・200Lなど)によって、現場で認められる調理工程(単一品目のみ、あるいは複数工程の調理など)が厳格に定められている。営業する地域(自治体)ごとに、許可を取る必要がある。
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このように、現在のキッチンカーは「移動する飲食店」といった位置づけにあるといえる。しかし、今後は「サステナブルな移動インフラ」に進化していくのではないかと予想されている。その理由は、BEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)の導入である。
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従来のキッチンカーは厨房機器を動かすために発電機、あるいはプロパンガスボンベなどを用いていた。しかし、大容量バッテリーを搭載した電動車ベースになれば、車両から直接電力供給ができるようになるのだ。
これにより、夜間の住宅街や環境規制の厳しい公園でも静かに営業が可能となる。さらに、災害時には「温かい食事を提供できる移動式非常用電源」といった役割も果たせるから、自治体との防災協定を結ぶことも可能になるのだ。モビリティの進化とともに、キッチンカーの可能性は今後さらに広がっていくのではないだろうか。