この記事をまとめると
■原付バイクはヘルメット義務化で自転車は努力義務
■車道を走る電動キックボードがノーヘルOKなことに疑問の声がある
■速度の二乗で衝突エネルギーが増えることを考えると納得できる
原付は義務で電動キックボードは努力義務
電動キックボードでヘルメットが着用義務となっていないことに批判の声がある。
正方形型のナンバープレートをつけた電動キックボードは、特定小型原動機付自転車(以下、特定小型原付)に分類される。特定小型原付はノーヘルで公道を走れるのに、原動機付自転車(以下、原付バイク)はヘルメットを着用していないとヘルメット着用義務違反で、違反点数1点(罰金はなし)となっているのはおかしいという指摘だ。
その理由として、「原付バイクの制限速度30km/hに対して、特定小型原付は20km/hであり大差ない」という意見も見かける。たしかに「たった10km/hの違いであれば危険度はさほど変わらない」と感覚的には思いがちだ。
正方形型のナンバープレートをつけた電動キックボード画像はこちら
はたして、この速度差は大差ないといえるのだろうか。
結論からいえば、20km/hと30km/hの衝突時の衝撃を計算すると、かなり違いがある。
ご存じのように、衝突エネルギーというのは速度の二乗に比例する。そこで20km/hから40km/hまでの衝撃を高さに換算してみると次のようになる。
20km/hでの衝突:高さ1.6mから飛び降りた衝撃
24km/hでの衝突:高さ2.3mから飛び降りた衝撃(1.44倍相当)
30km/hでの衝突:高さ3.5mから飛び降りた衝撃(2.25倍相当)
40km/hでの衝突:高さ6.3mから飛び降りた衝撃(4倍相当)
いかがだろうか。20km/hと30km/hでは倍以上も衝撃が大きい。労働現場の安全基準では2m以上で作業することを高所作業と分類しているが、20km/hの速度が生む衝撃は高所作業にも当たらないほどのリスクといえる。
クルマの速度感覚からすると「20km/hと30km/hは大差ない」と感じてしまうかもしれないが、こうして高さに換算するとまったく違うレベルであることが理解できるだろう。