超高額なメルセデス・ベンツGクラスがなんでこんなに走ってる? 需要を支える裏にある「法人需要」のカラクリ (2/2ページ)

資産価値と税務面のメリット

 このような活発な中古車市場を支えている要因のひとつとして、法人需要の存在が指摘される。この中古車人気が、じつは法人購入者に支えられていると知れば、その仕組みも興味深い。というのも法人が社用車として高級車を購入する場合、個人購入とは税務上の扱いが根本的に異なるからだ。

 個人で2000万円のGクラスを購入しようとすれば、実際2000万円がまるまる出費となる。ところが会社名義では、購入費用はまず固定資産として計上され、減価償却後、税引き前の利益から経費として処理できる。減価償却では、新車の普通乗用車の場合、法定耐用年数は6年で毎年分割して経費に計上しなければならないが、中古車の場合、新車から3年10か月以上経った車両は法定耐用年数が2年に短縮される。定率法(200%)で期首に購入すれば、購入費用の全額を早期に減価償却費として計上することも可能となる。

 4年超の中古Gクラスは、減価償却費を早期に計上しやすく、さらに高いリセールバリューも期待できるため、一部の経営者から注目されている。購入費用を早い段階で大きな減価償却費として計上でき、売却時にも高い価値が残れば実質的な保有コストをかなり抑えられる。「ゲレンデに乗っている経営者」というブランドイメージの付加価値も含めて法人需要を支える要因のひとつになっていると考えられる。

 今後、Gクラス初のBEVであるG580が市場に本格普及するなかで、現在流通している中古のGクラスの市場価格にどう影響するかが注目される。しかし45年以上にわたって磨かれてきたブランド力と、軍用車起源の走破性は容易には色褪せない。街にゲレンデがあふれている理由。その背景には長年培われたブランド力や高い資産価値、そして法人需要といった複数の要因があると考えれば、すれ違うときの見方も変わるかもしれない。


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