中〜長距離で使いやすいEVはどれだ⁉
3代目で全面的に刷新しプレミアムカー級の走りへ
3代目リーフは全面的な刷新を受けたモデルだ。一充電走行距離は最大702kmとCセグメントとしてトップクラスの性能を実現。それも半導体にSiCを使わずSiのみだという。パワートレインにバッテリー、空調システムまで統合したサーマルマネジメントが電費改善に大きく貢献している。
ソルテラ・eビターラ・リーフを徹底比較したら国産BEVの実力が見えた画像はこちら
アクセル操作に対してレスポンス良く反応しながらも、押し出しが過剰にならないように絶妙に洗練された加速フィールだ。モーター、インバーター、減速機を一体とする高剛性化で振動低減も効いており、スタンダードな価格帯ながらプレミアムカーに近い質感となっている。
乗り心地も上質だ。路面から大きな入力があっても突き上げは丸く処理され、それでいて上下動が残らない適度なダンピングが得られている。同じプラットフォームを採用するアリアの乗り心地が硬めと言われた経験から学習した結果だろう。低重心ながら重たいBEVはピッチング制御が難しいが、ひとつの回答を示している。
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BEV市場を賑わせてくれることに期待がかかる日本メーカーの3台は、少なくとも一充電走行距離をはじめとする、BEVとしての機能は満足度が高い。2026年は増額されたCEV補助金に背中を押されてBEV生活を始める、いいタイミングと言えるのだ。
EVの肝心要の電費&充電性能比較!
各車SOC90%以上で東京・神田を出発し、高速で南房総へ。この間は3台並走で電費を計測。移動距離は113km、エアコンは24℃で走行した。個別試乗ののち、帰路は木更津市内の50kW急速充電器で10分間充電を行った。
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充電:eビターラがトップだがソルテラの進化に驚いた
50kWの急速充電器を用いて、それぞれ充電の受け入れ能力を試してみた。平均出力はeビターラ49.22kW、リーフ46.2kW、ソルテラ49kW。急速充電中はバッテリーなどの温度が上昇し、熱によるロスが発生するので出力はスペックの9割ほどに落ちることも少なくないが、今回の3台はどれも優秀。とくに49kW超えは素晴らしい。
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ただし、今回は気温が15〜17℃程度と涼しく、外部環境的にはかなり良好だった。バッテリーの適正温度は20〜40℃程度で、その範囲にあれば内部抵抗が小さく、急速充電でもスムースに電気が流れていく。とくに低温時は受け入れにくい。eビターラは充電開始時のSOCが28%と低かったので受け入れやすかったのだろう。あるいは、日本メーカーのBEVとして初めてLFP(リン酸鉄)バッテリーを採用しており、三元系バッテリーに比べて熱耐性が高いので有利なのかもしれない。
リーフはほかの2台に比べてわずかに出力が低かったが、十分に高性能な部類と言える。ソルテラははっきりと進化を確認できて嬉しかった。というのも、以前に気温7℃のなか初期型ソルテラで90kWの急速充電器を使用して45kW程度しか出力が出ていないことがあった。低温時の充電受け入れ能力に課題があったのだが、新型はプレコンディショニング機能が搭載され、低温時でも充電受け入れを絞ることはなくなっている。こういった点が、BEVの実用における重要な進化なのだ。
電費:ソルテラの高効率が光るがリーフの空力が高速で奏功
eビターラは車検証に記載される車両重量が1790kgでWLTCモード電費7.63km/kWh、リーフは1960kgで7.3km/kWh、ソルテラは2030㎏で7.41km/kWh。駆動方式や装着タイヤ、オプションなどで電費も異なり、それぞれもっとも良好な電費のモデルはeビターラ8.0km/kWh、リーフ8.47km/kWh、ソルテラ8.85km/kWhとなる。
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ソルテラはもっとも重量級であるにもかかわらず電費は最高値であることからも、いかに高効率であるかがわかる。リーフはSiC半導体を使用せずにこの数値だから健闘。eビターラはベーシックなBEVとして標準的といったところだろう。
今回は高速道路が約8割、流れのいい郊外路が約2割、ごくわずかに市街地というコースを走った。実電費はeビターラが5.78km/kWhでWLTPモード達成率は75%、リーフが6.29km/kWhで86.1%、ソルテラが6.05km/kWhで81.6%だった。リーフが突出して達成率が高いのは高速主体のコースで優れた空力性能が効果を発揮したのだろう。ファストバックスタイルにすることでCd値0.26を達成。空気抵抗は速度の2乗で悪化していくので、高速域の電費改善はBEVにとって重要な項目なのだ。ソルテラは良好なモード電費に対して約8割の達成率で実用でも進化していた。eビターラはシティコミューター寄りのモデルだからコース的に少し不利だったかもしれないが、それを考えれば立派。
※本記事は雑誌CARトップの記事を再構成して掲載しております