ムダ払いは避けたいが事故時の後悔もまた避けたい! 自動車保険「削っていいとこ」「ダメなとこ」 (2/2ページ)

必要な項目と不要な項目は定期的に見直そう

<削っても影響が小さい項目──車両保険の条件と特約の重複>

 一方で、見直しによって無理なく節約できる項目もある。代表例が「車両保険」だ。車両保険には大きくわけて、単独事故や当て逃げまで幅広く補償する「一般型」と、補償範囲を相手のいる事故や火災・盗難などに限定した「エコノミー型(名称は会社により異なる)」がある。新車や残価設定ローンの残債があるクルマでは一般型が安心だが、年式が古く車両価値が下がったクルマであれば、エコノミー型へ切り替える、あるいは車両保険そのものを外すことで保険料を大きく下げられる。

 また、「免責金額(自己負担額)」の設定も有効な調整手段である。たとえば1回目の事故の免責を5万円や10万円に引き上げれば、その分だけ保険料は下がる。小さな傷を保険で直すと等級が下がり、翌年以降の保険料が上がる「ノンフリート等級制度」の仕組みを踏まえると、軽微な損害は自費で対応する前提で免責を高めに設定するのは合理的だ。

「レンタカー特約(代車特約)」も削減候補になりうる。修理期間中のレンタカー費用を補償してくれる特約だが、グレードの高い設定を選んでいるなら引き下げることで保険料を抑えられる。修理期間だけ借りるクルマに高いグレードが本当に必要なのか、冷静に考えてほしい。

 ロードサービスは保険本体の補償とは性格が異なるが、EV(電気自動車)では電欠時対応や搬送条件の確認が重要になる。EVに乗っているのであれば、単に付いているかではなく、どこまで運んでもらえるのか、充電切れのときの扱いはどうなるのかを確認しておきたい。また、JAF会員であれば「ロードサービス特約」の一部をカバーできる場合もあるので確認してほしい。

 特約の重複も確認しておきたい。クレジットカードや火災保険、家族の別の自動車保険などに、すでに弁護士特約や個人賠償責任特約が付いている場合がある。同じ補償を二重に契約しても支払いが増えるわけではないため、重複分は削ってよい。

<自分の使い方に合わせて条件を最適化する>

 特約だけではなく保険料を左右する条件設定もライフスタイルに合わせて見直したい。「運転者の年齢条件」や「運転者限定(本人限定・夫婦限定・家族限定など)」を、実際に運転する人に合わせて適切に絞れば保険料は下がる。ただし、子どもが免許を取った、親を乗せる機会が増えたといった変化があれば、補償の穴ができないよう速やかに条件を更新する必要がある。

 また、「年間走行距離」によって保険料が変わるものも多い。在宅勤務の普及で走行距離が減った人は、距離区分を見直すだけで保険料を抑えられる可能性がある。逆に保険会社によっては走行距離区分によって保険料が変わるため、実態とかけ離れた申告をすると、契約条件の変更や追加保険料が必要になる場合がある。

 要するに、削ってよいのは「自分のクルマや使い方の変化に応じて過剰になった部分」であり、削ってはいけないのは「事故時に取り返しがつかなくなる賠償と、自分や家族の身を守る補償」である。この線引きを意識すれば、安全性を損なわずに無駄なく保険料を抑えられるはずだ。

 加えて、代理店型の保険に加入している人は、ネット型(ダイレクト型)へ乗り換えることで保険料を抑えられるケースも少なくない。つまり、削るべきは「不要な特約」であり、「必要な補償の中身」ではない。この原則を念頭に、賢い保険の見直しをしてほしい。


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