誰もが買えるランクルになる日は来るのか
そして1番の問題がこのクルマのパワーユニットにある。搭載されるのは2TR-FE型、つまり2.7リッターの直4エンジンであるという点だ(ランクル250などもこれ)。これに6速ATが組み合わさるのだが、最高出力が120kW(163馬力)、最大トルクが246N・m程度しかなく、車重は約2トン。これがかなり厳しいようで、普段乗るぶんには大きな問題はないが、正直パワー不足という声が多い。
形が気に入った人はその限りではないが、ランクルファンを筆頭とするクロカン四駆ファンは圧倒的にディーゼル支持者が多く、このクルマの発表時にガソリン車しかないことで、落胆した人も少なくなかった様子。ただしクロカンといえどジムニーに関しては例外だが……。
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なおランクルFJに関しては、マイナーチェンジでディーゼルモデルが加わると予測している人が大半で、実際に開発側でもそういった声を多くもらっていると語っているので、「眼中にない」ということはなさそうだし、今のトヨタであれば体力的にディーゼルモデルを追加するのは余裕だろう。もちろん、タイ生産なので現地との調整も不可欠だが。
ただ、この「結局人気で買えない」「意外と安くない」「ガソリンモデルしかない」というのは、なにも悪い話ばかりではない。これだけ注文が殺到し、じゃんじゃん売れるほど需要があるという点と、ディーゼルモデルを待っている人がいるということは、もし仮にこれから先ディーゼルモデルが出れば、パワー不足で燃費もイマイチなガソリンモデルは中古車市場に一気に放出される可能性がある。
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現在、ランクルFJは記事執筆の時点で約50台が中古車市場に流れており、590万円〜700万円程度で新古車が販売(事実上の転売)されている。新車価格にプラス30%ほど上乗せされている計算だ。下取り額も買った額以上は確実だろう。ただ、これはあくまで今の話であって、もしディーゼルモデルが出れば、車両価格は上がるが、ガソリンモデルは新車価格割れになる可能性が高い。あくまで今の値段は需要と供給が追い付いていないだけのことだし、「この額で買う人がいるのか?」というのが筆者の正直な感想だ。ジムニーノマドの惨劇に近いことが起きそうな予感がしている(すべてはトヨタの生産体制次第だが……)。
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ちなみにランクルFJではないが、「残価設定ローン」でしか契約できないといった形態で販売され、「それでも欲しい」と飛びついた人たちのランクル250が、もう1年前後で市場に出始めると予測されている(ランクル250の販売が2024年4月販売スタートで残価設定ローンの最短が3年契約なため)。残価設定ローンから再びローンを組み直すと金利などがかなり上がる場合があるので、そのまま払い続ける人は少ないという。
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受注を停止しているといいながらも、今や見ない日はないほどランクル250は世に出ているので、こちらも動力性能でディーゼルに劣るガソリンモデルが、続々と手が出しやすい価格で放出される可能性が高い。となれば、中古にはなるが、ランクルFJではなくランクル250が先に「誰もが買えるランクル」になってしまうかもしれない……。ただ、この一連の食物連鎖ならぬランクル連鎖は、86をデビューさせたころに豊田章男現会長が語った、「お金もちは86をどんどん買い換えて若い人に中古として安いクルマを提供できる世のなかにしたい」という考えに近いものを感じるのは、筆者だけじゃないはずだ。
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ランクルFJは次いつ受注を再開するのか、今後どんな展開をしていくのか、ガソリンモデルのみを貫き通すのかディーゼルモデルを出すのか、中古車相場はどのようになっていくのか、展開が楽しみな1台である。