希少性がブランド価値をより高めている
前置きがとんでもなく長くなったが、ここでの本題は「ランドクルーザー人気の秘密」である。その大きな理由のひとつが、ここまで述べた初代BJ型から脈々と続くランドクルーザーの世界に誇るブランド力であることは間違いないところなのだが、この時代においては、あまりの人気に供給が需要に追いつかない手に入りにくさと圧倒的なリセールバリューの高さも大きな一因だろう。
ランドクルーザーは国内だけでなく、むしろ海外で引く手あまただけに、新車から5年乗っても新車価格の80~90%の残価率を誇るプレミアムカーなのだ。とくにホワイトパールやブラックなど定番色のボディカラーを選ぶと「資産」「投資」としての価値は、国産車のだんとつトップ。あのアルファードよりもだ。その理由は、すでに説明した新車の手に入りにくさはもちろん、何年乗っても得られる頑丈さ、世界トップレベルの走破性、一目でランドクルーザーとわかる普遍的デザイン、300系であればさらにサルーンに匹敵する快適性や先進機能、装備の充実も挙げられるだろう。
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ちなみに2026年4月には国内で前年同月比275.9%となる9467台もの販売を記録。乗用車ブランド別通称名販売台数でヤリス、ルーミー、ライズ、シエンタ、ヴォクシー、カローラに次ぐ7位につけたのだから凄い(8位はアルファード、9位ノア。ここまでのベスト9をトヨタ車が独占し、10位はフリード)。
もっともランドクルーザーの本質はオフロード性能であり、本来は過酷な環境でクルマを使うユーザーにとって支持されるべきモデルなのだが、ここ最近の空前のSUVブームがトヨタ最上級SUVとしての存在感を大きく高めているのもランクル人気の秘密といっていいだろう。
おそらく、多くの一般ランドクルーザーユーザーが、ランクルでしか走破できないような道を日常的に走るとは思えない。そう、街で見かけるランドクルーザー300のほとんどが、プレステージカーらしくピカピカなのである。
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若い世代にも訴える、デカい300系よりも日本の道で扱いやすい450万円の「FJ」や、ミドルモデルの250が加わったランドクルーザーブランドの選択肢の多さも、ランクル人気を大きく高めているに違いない。とはいえ、「資産価値的」な需要によっても争奪戦が巻き起こり、300系のガソリンモデルや250系のディーゼルターボモデル(2026年12月以降再販予定)、70系が注文停止であるように、納期は車種によって下手をすると2年先……というのが現実。中古車も依然、プレミアム価格なのである。ほしいけれど、新車はすぐに買えない……その購入のハードルの高さもまたランクルへの憧れを加速させ、所有欲にメラメラと火をつける人気の秘密なのではないか。