今度こそ成功なるか? 20年ぶりにEVで復活するアウディA2は初代同様に高効率を追求!!

この記事をまとめると

■約20年ぶりに復活する新型A2は初代同様に効率を最優先した設計思想を採用

■空力やモーターなどを徹底的に改良し電費12.8kWh/100kmを実現

■61kWhのLFPバッテリーを搭載し2026年秋に正式発表される

空白の「A2」がBEVで復活

 1999年にデビューしたアウディA2は、フラッグシップのA8譲りのオールアルミボディを採用し、100kmをわずか3リッターの燃料で走り切る「3リッターカー」という称号をひっさげて登場した。効率の追求そのものがアイデンティティというモデルは、しかしその理念ゆえにコスト面が厳しく販売は振るわなかった。その2005年の生産終了から約20年の沈黙を経て、インゴルシュタットはA2の名前を復活させようとしている。

 公開されたのは擬装をまとったプロトタイプの走行写真だ。カモフラージュが施されているとはいえ、そのシルエットから設計思想は十分に読み取れるとともに、初代A2のエッセンスをありありと感じることができる。丸みを帯びたフロントエンド、なだらかに落ちる流麗なルーフライン、シャープに切り立ったリヤエンド。これらすべての造形は空気との戦いを念頭に置いており、その結果としてもたらされたのがCd=0.24という高い空力性能である。

 フロントのエアカーテン、ホイールアーチとタイヤの隙間を詰めるギャップリデューサー、そして通常走行時は閉じて高速では開くアクティブクールエアインテークといった空力対策のデバイスも盛り込まれ、未装備車と比べてWLTP電費を100kmあたり最大0.9kWh改善するという。

 電動パワートレインの効率改善は、驚くほど細部まで徹底されている。まずパワーエレクトロニクスの領域では、従来のシリコン半導体にかわりシリコンカーバイド(SiC)を採用した。部分負荷時のスイッチング損失を大幅に削減し、代替変調方式との組み合わせで従来比最大33%の損失低減を実現する。

 永久磁石同期モーターの内部では、積層板の厚みを0.3mmから0.2mmへと薄くすることで鉄損を低減。さらにステーターの巻線をスター結線からデルタ結線に変更し、より効率的な回転域での動作を実現した。トランスミッションは新開発の低フリクションオイルを採用し、10.2:1という高いギヤ比で高速巡航時のモーター回転数を低く抑える。これら3つの改善の積み重ねが、駆動系全体の効率を最大10%向上させた。

 バッテリーにLFP(リン酸鉄リチウム)を採用したこともこのクルマの方向性を示している。LFPは三元系と比べると体積エネルギー密度では劣るが、安全性が高く経年劣化が遅いという機能的メリットがあるほか、コバルトやニッケルといったレアアースも使用しない。次世代のBEVに期待されるテクノロジーをいち早く投入したわけだ。

 容量は61kWh。セルをケースに直接組み込む「セル・トゥ・パック」構造により充填密度を高め、専用アルゴリズムと適応型冷却戦略の組み合わせで、家庭用充電設備での充電効率は89.6%に達する。双方向充電にも対応しており、V2LとV2Hが使用可能だ。

 上記すべてが組み合わさった結果として生まれる電費性能は、12.8kWh/100km(WLTPモード)。搭載するのは決して大容量とはいえない61kWhバッテリーながら、逆算するとおよそ500km弱の航続距離を確保することになる。

 A2のワールドプレミアは2026年秋を予定している。四半世紀ぶりに電動車として復活するこの車名が、かつての「3リッターカー」のように世界にインパクトを残すことができるか、期待して待ちたい。


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