EVの税制控除終了でアメリカはEV在庫の山! とはいえ「完全にやめた」とはできないEV開発の裏事情 (2/2ページ)

アメリカではBEV=テスラと構図に

 アメリカでは、政治的対立もあり、中国系メーカーの乗用BEVは販売されていない。そのなかでBEVといえば、テスラ製車両がその代表となっている。いまではラインアップも多くなり、かつては富裕層の日常の移動手段ともいわれていたのが、いまでは中間管理職のお父さんのクルマともいわれている、トヨタ・カムリ、ホンダ・アコード、日産アルティマ(または同クラスのクロスオーバーSUV)あたりのユーザーを囲い込もうとする勢いを見せている。

 HEV(ハイブリッド車)は、アメリカ国内でもその存在が注目されるようになって久しい。HEV=日本車ともいえるが、さらにアメリカ以外でもHEV=トヨタとなっていることは否定できない。これがアメリカ国内のBEVでみると、BEV=テスラとなっているのも否定できないだろう。事実、税額控除終了後であっても、ほかのアメリカンブランドとは異なり、手堅い販売を続けているとも報じられている。

 BEV販売についてインセンティブ頼りなのは世界共通といってもいいだろう。そのなかで、アメリカでは政府レベルのインセンティブは現状存在しない。そのようななかでもBEVに興味をもち、そして購入するような人たちはファーストペンギン的存在で、BEV以外ラインアップしないテスラをチョイスするのは自然な流れのように見える。

 フルサイズピックアップトラックでは、マイルドHEVやフルHEVをフォードやラム(クライスラー系ブランド)がラインアップし、アメリカでもとくにHEVへの関心の高いカリフォルニア州(トヨタ・タンドラHEVが注目されている)ではショーなどで積極展示を行っているが、GMはHEVでは出遅れイメージが強いように筆者は見ている。

 ところが新興メーカーが火付け役のようなのだが、低価格(3万ドル[約495万円]近辺)のピックアップトラックスタイルBEVが注目されようとしている。世界第2位となり、日本をはるかに超える市場規模のアメリカは、「多様性にも富んでいるな」と改めて感じさせるトピックであった。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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