この記事をまとめると ■MT車の販売比率は1〜2%まで減少しAT専用モデルが主流になっている
■一方でシビックRSなどスポーティなモデルでは根強い需要が存在する
■魅力的なMT車を通常ラインアップに加える余地は十分にある
AT全盛時代にMT車を残す意味 今はMT(マニュアルトランスミッション)車の販売比率が1〜2%といわれる。2026年上半期(1〜6月)の新車販売データを見ると、国内で売られた乗用車の約45%をハイブリッドが占めた(マイルドタイプを含む)。電気自動車なども加えると、駆動用モーターを搭載する車種が約半数に達する。ハイブリッドのMTを開発することも可能だが、ユーザーニーズを考えると電動車はAT専用だ。MTの売れ行きは必然的に下がる。
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MTが減ってATが増えた理由として、AT限定の運転免許もある。AT限定運転免許の創設は1991年だから、今では完全に定着して、MTを運転できないユーザーも増えた。ただしAT限定運転免許の取得比率は、極端に高くはない。運転免許統計によると、現時点で運転免許を取得したドライバーのAT限定比率は75%だ。逆にいえば、残りの25%はMT車を運転できる。仕事でトラックなどの商用車を運転するために、AT限定にしなかった人も多いが、MTを運転できるドライバーの数に対してMT車が減りすぎたという見方も成り立つ。
そのためにMT車の設定の仕方も不安定だ。たとえばフェアレディZの標準グレードには6速MTがあるのに、もっともスポーティなNISMOは9速ATのみだ。なぜNISMOに6速MTがないのか開発者に尋ねると「フェアレディZ・NISMOのように走行性能が高まると、ATがMTよりも速く走れる。コントロールもしやすい。とくにNISMOは最大トルクが50kg-mを超えるから、ATの親和性が高い」と語った。
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日産GTーRにも当てはまる話だが、今のスポーツカーは走行性能が高すぎて、MTが馴染まないという考え方がある。
その一方で現行スバルWRXは、2021年に発売されて以来、CVT(無段変速AT)を搭載するS4のみを設定してきた。それが2026年4月に、6速MTを搭載するWRX STI Sport#を600台の限定で発売した。前述のフェアレディZ NISMOでも、結局のところ2027年モデルよりミッション本体を強化した上で6速MTモデルが追加されることになった。
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つまりMTは、販売戦略やPR戦略の一環として不定期で設定されることも多い。それでもシビックでは、1.5リッターターボエンジンに6速MTを組み合わせたRSが、タイプRを除いたシビック全体の30〜40%を占める。セダンやSUVでも、スポーティな性格の車種であれば、MTが相応に売れる。
MT比率が低いのは価格を含めてほしいと思わせるMT車が少ないためで、ラインアップする余地は十分にある。WRX STI Sport#などは、限定販売ではなく、一般グレードにしてよいだろう。