高速道路を走るトラックドライバーの本音
では、なぜ追い越しをする必要があるのか。そこには時間指定に間に合わせるためだとか単純に少しでも早く目的地に到着したいなどという仕事上の理由や、法律で定められている休憩時間や労働時間の事情などさまざまだ。それだけなら仕方ないところもあるのだが、意外と知られていないのがトラックドライバー同士の気遣いである。それが少なくなったと嘆くドライバーも、数知れず存在している。
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「追い越しをかけるときに、抜かされる側のトラックがアクセルを抜いてライトカット(ヘッドライトを消して、前に入っていいよと合図をする行為)してくれたり、そういうことが以前は当たり前のようにありました。でも、最近はそんなドライバーに出会うことはほとんどありません。素人というか、サラリーマンドライバーが増えた感は否めないですね。クルーズコントロールで走っている人が多いから、仕方ないところもあるのですが。追い越すときに時間がかかってしまうことは大型トラックのドライバーもわかっているので、その時間を少しでも減らそうとギリギリで車線変更をしている大型トラックも多く見られます」と語る。
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続けて、「でも、それをすると事情を知らない一般車のドライバーから見ると、荒くて危険な行為に映るかもしれません。でも、それは1秒でも追い越し時間を短くしようとする気持ちの表れでもあるのですよ。それにウインカーを出して車線変更をしようとすると、急に加速してきて妨害する一般車が多いので、その対策にもなっています。大型トラックは一度速度が落ちるとすぐに回復できませんし、上り坂なら速度がどんどん落ちてしまいますから。すべての弊害は、やっぱりリミッターですね。同業者の事故がきっかけになっているので政治家のせいにはできませんが、それによる事故も増えたと思いますよ」と、トラックドライバーの実情を述べた。
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最後に、「いまの大型トラックだと、事故を防ぐためにはブレーキとハンドル操作しかない。加速することも、危険回避におけるひとつの手段ですから。それを奪われたことで危険を感じることも多々あります。それに、追い越しでもギリギリまで待つとなると、前車との車間距離も当然短くなりますからね。危険で迷惑だと感じられているとは思いますが、心ない運転をする一般車がそうさせている部分もあるということを、少しでも理解してもらえたらありがたいです」と締めた。
長年トラックに乗り続けているドライバーでさえも、近年はストレスを感じることばかりだという。そのストレスがイライラへと変わり、事故へとつながってしまうことも大いに考えられる。そのような危険を防ぐためにも、一般車のドライバーにも物流を支えてくれる大型トラックに敬意を表していただけたら幸いだ。