トヨタ車の相次ぐ受注停止や納期遅延は円安に半導体不足だけが原因じゃない! 他メーカーも含めた自動車業界全体で考えるべき問題 (2/2ページ)

トヨタに需要が集中しているという側面も

 ちなみにダイハツは輸出をほとんど行っておらず、トヨタの販売店では「ダイハツ製のライズやルーミーは納期が短く、改良を控えた時期を除くと受注も止まらない」という。輸出の影響を受けないから、受注も止まらないといえそうだ。そのために販売店では「ライズとルーミーは売りやすい。ヤリスクロスを目当てに来店したお客様が、納期の短いライズを購入することもある」とコメントした。

 トヨタ車の販売推移を見ると、別の解釈も成り立つ。たとえばノア+ヴォクシーの1カ月平均国内登録台数を振り返ると、2020年は9579台、2022年は9473台だったが、2024年は1万1770台に増えて、2025年は1万3235台に達している。

 つまり近年のノア&ヴォクシーは、受注を頻繁に停止させながら、登録台数を増やしているのだ。いいかえればノア&ヴォクシーでは、購入希望者が大幅に増えたことになる。

 この背景には、他社のミニバンの販売減少もある。近年の日産セレナやホンダ・ステップワゴンの売れ行きは横ばいだが、マツダはミニバンのプレマシーやビアンテの生産を終了した。Lサイズミニバンでは、日産エルグランドの設計が古くなって売れ行きが下がり、ホンダ・オデッセイも国内販売を一度終了した。

 これらの需要がノア&ヴォクシーに移った事情もあるだろう。エルグランドやオデッセイのライバル車はアルファード&ヴェルファイアだが、2025年までは受注を止めている期間が長く、価格も大幅に高くなった。そうなるとトヨタの選択肢は、ノア&ヴォクシーに絞られる。その結果、トヨタは受注を停止させる車種を増やしながら、小型/普通車市場のシェアは依然として50%を上まわる(レクサスを含む)。

 また2026年1〜7月の国内販売状況を見ると軽自動車の販売が好調だ。日産が新車として売ったクルマの44%、ホンダは43%が軽自動車であった。今の国内新車市場における軽自動車比率は36%だから、日産やホンダの軽比率は全体水準を上まわる。

 日産やホンダが軽自動車に力を入れるようになった結果、小型/普通車の需要がトヨタに集まり、受注を停止させたり納期を延ばしている面もある。つまりトヨタの受注停止や納期遅延は、トヨタだけの問題ではなく、日本の自動車業界全体で受け止める課題なのだ。


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渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
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13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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