最近のフェラーリは電動化で複雑すぎる! 全5種のパワートレインと最新モデルをスッキリ解説 (2/2ページ)

ラインアップはかつてないほど多様化

 一方のプロサングエはSUVではなく、4シーターのグランドツアラーであるとフェラーリは位置づける。12チリンドリと同様にそのスポーツ性はもちろん世界の最高水準を極めたもので、V12エンジンがそもそもあの「エンツォ」からの進化型であることを知れば、それも十分に納得できる。4RM-sと呼ばれる4WDシステムが生み出すスタビリティの高さも大きな魅力だ。

 V型8気筒ツインターボエンジンをシンプルに搭載するアマルフィは、1973年に誕生した「ディーノ308GT4」を祖とする4シータースポーツカー(フェラーリはアマルフィでは「2+2」と呼称するが)。価格がフェラーリ車のなかではもっともリーズナブルに設定されているため、エントリーモデルと考えられることも多いが、実際に見るアマルフィの造形は感動するほどに美しく、そして走りもフェラーリの名に恥じない、きわめて刺激的なテイストを披露する。

 V6ツインターボ+エレクトリックモーターというパワーユニットをもつ296と849テスタロッサは、いわばミッドシップフェラーリならではのスパルタンな走りが楽しめるモデル。

 両車のパワーユニットの大きな違いは、296がエレクトリックモーターをV6エンジンと一体化しているに対して、849テスタロッサではそれに加えてフロントアクスルに2基のエレクトリックモーターを備えていること。したがってシステム全体の最高出力は、296が830馬力であるのに対して、849テスタロッサは1050馬力にも達する(エンジン単体でも830馬力を発揮する)。

 フェラーリの位置づけとしては、296はミッドエンジン・スポーツカー、849テスタロッサはミッドエンジン・スーパーカーと考えられているようだ。

 先日誕生したばかりのルーチェは、もちろんこれまでのどのフェラーリのカテゴリーにも属さないモデル。5人乗りという実用的なキャビンをもつ、フェラーリのエンブレムを掲げるBEVがどこまで市場で評価されるのかは大いに興味深いところである。

 ちなみにここまで紹介してきたフェラーリのシリーズモデルだが、296にはクーペの「GTB」に加えてスパイダーの「GTS」、そして868馬力の最高出力を誇る高性能版の「スペチアーレ」、またアマルフィとテスタロッサにも「スパイダー」が設定されていることを最後に付け加えておく。

 フェラーリのオープンモデルは、いずれもカスタマーには人気の高いプロダクト。多くの魅力的な商品を少しずつ作るというフェラーリの戦略は、超高級ブランドのお手本ともいえるのではないか。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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