この記事をまとめると
■メルセデス・ベンツは創業以来クルマの安全性を重視して技術開発を続けてきた
■衝撃吸収ボディやエアバッグABSなど現在につながる安全技術を先駆けて実用化
■最善か無かの思想を軸に究極の実用車を目指している
「最善か無か」は安全のための取り組みでもあった
ガソリンエンジン自動車を1886年に発明したのは、ドイツのカール・ベンツだ。ゴットリープ・ダイムラーも、ほぼ同じ時期に馬車を改造してガソリンエンジンを載せた車両を作った。だが、ベンツのほうがやや早く特許を出し、発明者となった。
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ふたりは互いに面識がなくそれぞれ別に開発していたが、1926年に両社は合併し、ダイムラー・ベンツ社が誕生する。ちなみに、メルセデスとは、ダイムラー社の商標で、それとベンツをつなげてメルセデス・ベンツの車名になっている。ダイムラー・ベンツ社の哲学は、「最善か無か」である。最良のクルマをつくることを使命とし、その姿勢は技術開発の多方面に行き渡り、なかでも安全への取り組みに率先して力を注いだ。
第二次世界大戦前の1939年、社内にパッシブ・セーフティ(受動安全)の専門部署を設けた。研究成果は、戦後の1951年に世界初の衝撃吸収構造ボディとして結実した。車体前後をあえて潰れやすい構造にし、ここで衝突の衝撃を吸収・低下させる。一方で客室は頑丈につくり乗員を守る考えだ。
事故が起きてからの安全性という受動安全(パッシブ・セーフティ)はここから始まる。衝撃吸収構造を使った市販車は、1953年にメルセデス・ベンツ180として発売された。この特許は間もなく公開され、他社も使えるようにした。これによって、現在に至るまですべてのクルマはこの基本構想の下で車体を作っている。
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乗員保護では、1971年にエアバッグシステムの特許を取得した。10年後の1981年には、運転席/助手席エアバッグをSクラスのセダンに採用している。このとき、エアバッグはシートベルトを装着したうえでの補助機能であることを明かにするレストレイン・システムと位置付け、今日なおエアバッグにはSRS(補助拘束装置)の名称が加えられている。以上が、衝突後の安全技術だ。