【試乗】新型コンパスはジープでも4WDなし! 完全都会派になってもジープの魂はシッカリ存在した (2/2ページ)

FFのみでもジープの魂は健在

 なので、ドライブした印象は優しい。搭載するパワーユニットは、1.2リッター直列3気筒ガソリンターボと48Vモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドだ。加速性能に目を見張るものはなく、都会を闊歩するには必要にして十分な加速力と表現しておこう。

 乗り心地も優しい。ラグジュアリーセダンのような……というほどコンフォートであるはずもないけれど、通勤通学といった日常的な使用に耐えられる。

 驚かされるのは、WLTC燃料消費率が19.6km/Lに達していることだ(試乗車はサンルーフ付きのため19.4km/L)。もはやクロカンのレベルを超えて、ストロングハイブリッドに迫る数値である。ちなみに、空気抵抗係数は0.29だ。いやはや、ジープで空気抵抗が語られる時代が来るとは思わなかった。それほど都会的な資質を高めているのだ。

 さらに衝撃なのは、駆動方式がFFのみということだ。ジープなのにFF。これには腰を抜かしかけた。僕ら世代は、ジープといえば軍用車を連想させるほどの悪路踏破性をイメージする。コンパスを見ても都会的な雰囲気が色濃くなったとはいえ、それでも岩場や河原を走り切る雰囲気はある。だというのに、4WDではないのである。

 正規輸入元のステランティスジャパンによると、日本でレネゲード等アーバンアドベンチャーラインの4WDモデルは、販売が低迷しているという。これは、もはやジープ=クロカンのイメージを根本から抱くユーザーが少ないことを意味する。だったら正々堂々と、都会的な走りに特化するのが得策だと考えたというわけだ。

 もっとも、ジープの伝統的な息吹を捨て切ってはいない。そのひとつが渡河性能だ。水深408mmを確保している。ズカズカと川渡りは可能なのである。アプローチアングルは20°、ディパーチャーアングルは26°、ホイールベースが長くなったとはいえ、15°のランプブレイクオーバーを確保している。ドライブモードにはサンドやマッドモードも設定されており、泥濘地で威力を発揮するだろう。

 新型コンパスは、いかにも近代的に進化した。とはいうものの、ジープの魂は失っていない。

都会的に進化した新型ジープ・コンパスに試乗


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木下隆之 KINOSHITA TAKAYUKI

レーシングドライバー

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