この記事をまとめると
■DSがコンパクトなEVハッチバックのコンセプト「F3VER」を公開した
■初代DSを思わせるデザインと独自の灯火類でブランドの個性を強調
■来年の内装公開を経て量産化へ進む見込みとなる
SUV一辺倒に終止符か!?
「新しいクルマは、どれもSUVかクロスオーバーばかりだ」。DSのデザインディレクター、ティエリー・メトロズ氏は、顧客からこんな声が寄せられていると明かしている。
そんな文脈を踏まえて見ると、パリ・モーターショーで世界初公開されたコンセプトカー「DS F3VER」は、ずいぶん意味深な1台だ。コンパクトなBEVハッチバックで、初代DS3を思わせる角ばったリヤライトやツートーンの塗りわけも採用している。DSは公式にはこれを「ブランドの将来の方向性を示すマニフェスト」と説明するにとどめているが、「No3」のデザインを予告するモデルと見ることもできるだろう。
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ボディサイズは全長4190mm×全幅1840mm×全高1460mm。ホイールベースは2700mmと長く、クラストップレベルの室内空間を確保したという。荷室容量は400リットルで、上のクラスに匹敵する広さだ。扱いやすさを保ちながら、日常の移動から旅行、週末のレジャーまで幅広く使えることを狙った。
デザインでまず目を引くのが、フロントの中央に立つ縦長の「トーテム」だ。DSのエンブレムを掲げるこのパネルが、クルマの顔に強い個性を与える。ライトは縦方向のY字形を描く新しいシグネチャーで、ヘッドライトとデイタイムランニングライトをひとつのユニットにまとめた。昼夜問わずひと目でDSとわかる表情をつくるのが狙いだ。
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リヤバンパー中央にも、デジタル表示のDSロゴを組み込んだトーテムを置く。テールランプは16枚のLEDパネルを重ねた立体的な構成で、光のトンネルが奥へどこまでも続くように見える。パネルを支えるのは超軽量のマグネシウム製の構造体で、パリのグラン・パレのアーチ状の天井から着想を得たという。
F3VERは、カスタマイズをデザインの要素のひとつとして位置づけている。ボディカラーは、この車両のために開発したダイクロイック塗装の「コスミック・ブルー」で、光の当たり方によって鮮やかな青から深い紫へと色味が変わる。ルーフの外周には、カスタマイズ可能な装飾帯「ルーフリング」を配した。
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ツートーンの塗りわけも新しい。2色の境目をテールランプまで延ばし、そこからテールゲート、サイド、バンパーを包み込むように塗りわけることで、ボリュームの見え方を変え、車体をよりコンパクトに見せている。リヤのトーテムには光のアニメーションも組み込まれ、オーナーごとの点灯パターンの設定や、周囲とのやり取り、情報の伝達にも使うという。さらにホイールにはパリの伝統的な格子模様「クル・ド・パリ」をさりげなくあしらった。
現時点で、F3VERが搭載するパワートレインの詳細などは明らかになっておらず、インテリアも実装されていない。DSは来年、インテリアまで含めて完成したコンセプトカーを公開する予定で、量産モデルはその後まもなく登場する見込みだという。SUV全盛の時代にあえてハッチバックへ戻るという判断が、どこまで支持を集め、熱狂を呼び起こすことができるだろうか。今後の展開に注目したい。