この記事をまとめると
■欧州では従来型の3代目フィアット・パンダが継続販売されている
■3代目パンダは2026年からパンディーナに車名を変更した
■パンディーナにアウトビアンキY10をオマージュした特別仕様車が追加された
車名の一部として「アウトビアンキ」が復活
つい先日、フィアット・グランデパンダが日本デビューを果たしたことは記憶に新しい。このグランデパンダは2023年12月に日本での販売を終了した3代目パンダの後を継ぐモデルであり、そして何よりも約3年ぶりの「パンダ」と名付けられたモデルの日本市場復活。フィアットファンは心躍らせたことだろう。
たしかに日本ではパンダは”復活”ということになるが、欧州ではちょっと事情が異なる。というのも従来型の3代目パンダ、じつはグランデパンダの発売以降も欧州ではアップデートされていまも併売されているのだ。ただし車名は2026年から「パンディーナ」に改名されているが……。
そんなパンディーナに新たなモデルが登場した。フィアットは2026年10月21日、パンディーナのラインアップに、特別なトップグレード「パンディーナ・トリビュート・アウトビアンキ」を追加することを発表した。イタリア自動車史にその名を刻むブランド、アウトビアンキへのオマージュを込めたこのモデルは、フィアットの伝統とアウトビアンキの洗練性が見事に融合した1台となっている。
フィアット・パンディーナ・トリビュート・アウトビアンキのフロントスタイリング画像はこちら
今回、パンディーナに冠された「アウトビアンキ」という名前、古くからのクルマ好きなら、思わずニヤリとしてしまうのではないだろうか。アウトビアンキは、小型車に洗練されたデザインと上質な装備を与えた、「小さな高級車」をコンセプトとしていたブランドで、ビアンキーナやA112といった人気モデルを生み出している。
なかでも1985年にデビューした「アウトビアンキY10」は、初代フィアット・パンダのプラットフォームをベースとしながら、空力に優れたボディや高級感あふれる内装を採用し、当時の小型車の常識を覆したモデルとして人気を博した。イタリアの街並みに映えるその姿は絶大な支持を集め、その血統は後のランチア・イプシロンへと受け継がれている。
ランチアY10ターボのリヤスタイリング画像はこちら
そして、今回の特別仕様車が発表された「10月21日」という日付にも意味がある。最後のアウトビアンキ Y10が生産・登録されてから、ちょうど30年という節目の日なのだ。パンダをベースに誕生したY10の精神が、30年の時を経て、パンディーナをベースにした特別仕様車として現代に蘇ったというわけだ。
パンディーナ・トリビュート・アウトビアンキのエクステリアは、Y10へのオマージュに溢れている。ボディカラーは専用開発された「プラティーノ(プラチナ)」。これに、Y10の最大の特徴であった「ブラックアウトされたテールゲート」を再現する黒のルーフとテールゲートを組み合わせたツートーン仕様も選択可能で、さらに専用のサイドデカールや専用ロゴ入りの15インチアルミホイールなどにより特別な存在感を主張する。
フィアット・パンディーナ・トリビュート・アウトビアンキのリヤスタイリング画像はこちら
インテリアも抜かりない。ライトサンドカラーのマイクロファイバーシートには、Y10を彷彿とさせるアイコニックな「チェック柄」が施され、フロントヘッドレストには専用ロゴがあしらわれている。ダッシュボードのプラティーノ塗装やメーターパネルに表示される「Tributo Autobianchi」のウェルカムグラフィックなど、細部にまでこだわりが込められた仕上がりだ。
フィアット・パンディーナ・トリビュート・アウトビアンキのインテリア画像はこちら
パンダの実用性と親しみやすさにアウトビアンキ譲りの洗練されたスタイルと個性をプラスしたパンディーナ・トリビュート・アウトビアンキ。イタリアの小さな高級車の系譜を現代に蘇らせたこの1台は、コンパクトカーファンにとってたまらない魅力に満ちている。これをきっかけにいっそのことアウトビアンキというブランドも復活させ、そして日本にも導入してくれたらなんて思っている人も、決して少なくないはずだ