アメリカならではの自動車事情と所得格差の実態
HEVはますます注目されてはいるものの、このような状況ならばBEVがバカ売れしてもいいように見えるのだが、「ではBEV」とはなっていないように見えた。アメリカ以外ではコスパのよさから中国系がBEVの普及をけん引しているが、アメリカでは庶民レベルでBEVがほしいとしても、中国系ブランドがないので極端に選択肢が限られてしまうことも大きいようである。
現状、街なかを走るBEVはいまだに「テスラ一択」のような風景が広がっている。トヨタ・カムリやホンダ・アコードなどに乗る大手企業の中間管理職レベルぐらいの所得層までは、それでもテスラへの移行が目立っているとされているが……。
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ガソリン価格高騰もかなり問題となってはいるものの、軽油はさらに状況がひどくなっていた。本稿執筆時点での全米平均軽油価格は1ガロンあたり6.2847ドル(1リットルあたり約262円)となっている。2025年同時期が1リットルあたり約144円となっているので、大げさにいえば倍近くにまで跳ね上がっている。
南カリフォルニアでは1ガロンあたり8ドル超え(1リットルあたり約334円)も珍しくない状況なので、軽油高騰が続けば物流経費の上昇を招き、物価高騰をさらに助長してしまうのはほぼ間違いないだろう。トランプ大統領がロシア産軽油に着目したのも、軽油価格高騰抑制をなんとかしたいとの思いあってのことなのである。
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「ガソリン高が止まらないなら、BEVかHEVへ」という流れも、新車を買うことができる層に限られる動きだ。アメリカでは資金洗浄防止などさまざまな理由から現金で新車を買うことはできないので、ローンやリースを利用することになるが、その審査では融資や支払い実績を評価するクレジットスコアが足りず、融資がおりず買えなかったり、買えるとしても十分な融資額を得られない、金利が高くなるといったこともあり、新車が買えない層というものも鮮明に存在する。
つまり、所得に余裕のないひとほど年式の低い中古車に乗るともいえるのである。中古車は当然世代が古くなることもあり、大排気量車となりがちで燃費は悪くガソリン消費量が多くなってしまうので、いまのガソリン高の影響をモロに被りやすいともいえるのである。
それでもクルマがなければ満足に生活することができない。筆者のような一時滞在者であってもクルマは重要な移動手段となる。ドル建てでも十分割高イメージが伝わってくるので、「円換算はしない」という無心の状態でレンタカーに給油していた。