リーフNISMOとは異なる印象のテスラとスバルのBEV
ハイレベルな電子制御をハンドリングに活かすテスラ
モデル3のトップグレードであるパフォーマンスは、デュアルモーターAWDで、0-100km/h加速は3.1秒と圧倒的。加速設定にはコンフォート、標準、インセインがある。インセイン(常軌を逸した、正気ではないという意味)を選んでアクセルを踏み込めば瞬時に猛烈なトルクが立ち上がり、怒濤の加速を見せつける。ところがコンフォートにすると性格が一変。アクセルを一気に踏み込んでもトルクはじわりと立ち上がり、驚くほど穏やかで扱いやすい。
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乗り心地はリーフNISMOより一段引き締まっている。電子制御可変ダンパーは標準とスポーツの切り替えが可能。標準は穏やかなモードではあるが、それでもボディの上下動はよく抑えられ、フラット感が強い。スポーツは接地感が濃厚。硬いというよりもダンピングがしっかりと利いた印象。快適性を損なわない範囲でスポーティに仕上がっている。
コーナリングは大の得意科目だ。低重心で良好な前後重量配分というBEVのメリットが存分に活きていて、自由自在な感覚でコーナーを攻めていける。しかも、モーターの駆動力とシャーシを緻密に統合制御し、ドライバーの意図を汲み取るように、曲がりやすさと安定感を両立している。
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そして感心したのが操作性だ。物理的スイッチは少ないものの一時はなくなったウインカーレバーが復活。音声操作も使いやすく「エアコンを21℃に」「加速をコンフォートに」といった指示にも応えてくれる。慣れれば走行中にセンターディスプレイへ手を伸ばす場面をかなり減らせるのだ。
リヤモーターで曲げていく感覚の強いトレイルシーカー
スバル・トレイルシーカーは前後とも最高出力167kW、最大トルク268N・mのモーターを搭載。フロント167kW、リヤ88kWのソルテラに対して、リヤを大幅に強化したのがポイントで、システム最高出力は280kW(380馬力)に達する。これは単に加速を強烈にするためだけではない。高い速度域や高負荷領域でも十分な駆動力を確保してAWDとしての能力を高めると同時に、コーナリングでも旋回力を引き出しやすいのだ。
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ドライブモードをスポーツにすると、その特徴がいっそう明確になる。駆動力配分がリヤ寄りとなり、モーターならではの高応答性を活かして、アクセルオンで積極的にノーズをインに寄せていける。それもドライバーの操作にクルマが素直についてきて自然に旋回力が高まっていく感覚で、いかにも制御が利いているというわけではない。この一体感の高さには、エンジン車でAWDを磨いてきたスバルらしさを感じる。
その一方で、乗り心地は3台のなかでもっともソフトタッチだった。ロールやピッチングはやや大きめなものの、大型SUVとして自然な感覚であり、安心感は高い。これ以上硬くしなくても、リヤモーターの強化によって旋回姿勢をコントロールできるので、快適性と優れたハンドリングを両立できている。ソルテラに比べるとモーターAWDの可能性を一段引き上げたモデルなのだ。
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3台を続けて試乗すると、高性能BEVの造り方にひとつの正解がないことがよくわかる。モデル3パフォーマンスは強大な動力性能とシャーシ制御によってスポーツセダンとしての完成度を高め、トレイルシーカーは強力な前後モーターをAWD性能と旋回性に活用した。そしてリーフNISMOは、数字上のパワーを競うのではなく、シャシーやタイヤ、加速・回生の制御を磨くことでドライバーとの一体感を高めた。刺激の強さはほかの2台に譲るかもしれない。だが、デイリーユースでの快適性を残したまま、ドライビングが気持ちいいリーフに仕立てたことこそ、NISMOの価値なのだ。
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※本記事は雑誌「CARトップ2026年11月号」の記事を再構成して掲載しています