この記事をまとめると
■BYDがルーフにドローンのハンガーを備えたモデルを発売した
■ドローンが飛び立つと車内のモニターにドローンからのリアルタイム映像が映し出される
■ドローン本体・ハンガー・システム対応アプリのセットで1万6000元(約33万円)
もはやBYDのクルマはSFの世界に足を踏み込んでいる
ご存じ中国のイケイケEVメーカー、BYDがこれまたイケイケなドローンベンダー、DJIとタッグを組んだ結果、じつに面白そうな発表がありました。なんと、BYDのクルマにドローンのハンガーが装備され、飛んでいったドローンが自車を追尾して周辺をAI仕込みで撮影ですと! 大昔のアニメで、クルマからツバメ型のドローンが飛んでいくってのがありましたけど、まさにそのもの。いまのところは中国向けサービスですが、なかなか心躍るものがあります。
BYDによる車載型ドローン発射システムは「Lingyuan」の発表会画像はこちら
もはやBYDはワールドワイドでテスラを追い抜くEVメーカーとなっていますが、彼らが新たなEV仲間として選んだのは、やっぱりドローン界のトップランナー、DJIでした。両社とも広東省深圳市にヘッドオフィスを構えているので、ご近所付き合い的にビジネスプランもスムースだったこと想像に難くありません。
なるほど、と膝を打ったのはBYDの新作SUV「方程豹:ファンチェンバオ(fangchengbao)」を選んでプロモビデオを発表したこと。なにしろ、同車は今シーズンのBYDにとって目玉商品。既報のとおりランクルに匹敵する高性能なPHEVで、お値段もそこそこ手ごろな750万円ほど(中国での価格)。予想どおりバンバン売れまくっている様子ですが、ここにDJIのギミックが加わることで、さらに加速すること間違いないでしょう。
BYDのファンチェンバオ・レパード8のフロントスタイリング画像はこちら
なにしろBYDが発表した動画を見ると、もはやSF映画の世界そのまんま。走行中の方程豹「レパード8」のルーフに設置されたハンガーのハッチがサンダーバードの発進基地かのように開くと、DJIのドローンがおもむろに飛び立ちます。すると、車内のモニターにはドローンからのリアルタイム映像が映し出され、自車の上空・周辺を見晴らすことができるのです。無論、スチール撮影だってしてくれますから、これからの旅の思い出バリエーションが激増しそう。
レパード8のルーフに装着されたドローンハンガー画像はこちら
素晴らしいのはクルマの後方からの追尾は自動運転であり、また25km/hまでの速度で離陸と着陸が可能というポイントかと。さらに、車両から半径2km以内であれば自動帰還機能まで発揮するという優秀ぶり。いまのところ、クルマの速度は54km/hまで追尾できるとされていますが、ドローンのモーターが強化されれば速度が上乗せされることはいうまでもないでしょう。
車載型ドローン発射システムは「Lingyuan」と名付けられ、ドローン本体、屋根に設置するドローンハンガー、そしてLingyuanシステム対応アプリ(動画編集やAIシステムが含まれる様子)など、一式揃って1万6000元(約33万円)。なお、プロモビデオではレパード8でしたが、BYDの全モデルに対応しているか、またあと付けできるのかなどは発表されていません。
ドローンハンガーを備えたレパード8の価格画像はこちら
とても面白そうなギミックですが、やはり安全面や法規的に日本国内での普及には時間が必要でしょう。それでも、絶景ドライブやドライブレコーダー的な使い方を想像せずにはいられません。クルマに乗る楽しみがまたひとつ増えそうだ、そう喜ぶべきニュースではありますね。