この記事をまとめると
■STIがコンプリートカーのSシリーズをじつに8年ぶりに日本で発売する
■S210はSシリーズ初の2ペダルとなっている
■S210プロトタイプにレーシングドライバーの桂 伸一さんが試乗した
日本では8年ぶりとなるSシリーズ最新作が登場
STI=スバルテクニカインターナショナルは、その名のとおりスバル車をベースに内外装を含めて走りの性能をさらに引上げる商品を生み出し、その商品で1台をまとめたコンプリートカーを作り上げるメーカーでもある。
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車体を補強し強度を高め、タイヤ、サスペンション、ブレーキをアップグレードして操縦性そのものの限界性能を高め、乗り味を含む快適性を犠牲にしない、質が高く、コストのかかった商品の組み合わせ。
より高い速度域でも乗員を確実に拘束するシートや、正確に操作できるステアリングのほか、内装のチューンは直接手にして、身体に触れるだけにその効果を感じ取りやすい。
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外装はスバルの航空産業とも連携して素材と空気力学的にさらに優れたエアロパーツを開発して高速走行に対応するだけではなく、視覚的にもスバルのレースカーを彷彿とさせる存在感を生む。
スバルといえばラリーのイメージだが、現在はサーキットレースが主流。国内のGT選手権への参戦。海外はドイツにあるクルマ開発の聖地とされる通称ニュル、ニュルブルクリンクで開催の24時間をメインとするレースへの参戦もSTIが主導する。
ニュルブルクリンク24時間レースに出場のSUBARU WRX NBR CHALLENGE 2025車両画像はこちら
ニュル参戦から得たノウハウが詰め込まれた完成車がまさにSTI Sシリーズだ。
今日のS210プロトタイプもその1台だが、先代のS208からすると、じつに8年ぶりの登場! クルマ1世代が4年毎に変わる日本の流儀で言うと2世代ぶりに進化したS210は、STIファンにとって待望の1台といえる。
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S210の開発テーマは、「誰がどこで乗っても意のままに操れる」……それは至極当然な目標だが、その意味が込められたS210は、なるほど速くて扱いやすい大人の乗り味に仕上がっていた。
それはSシリーズ初の2ペダル化としたことが最大の特長。300馬力/375Nmにチューンされたエンジンを金属ベルトによる無段階変速であるCVT、リニアトロニックトランスミッションと組み合わせたことが画期的だ。
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ますます高性能化されるクルマをヒトが操作する。その操作は少しでも簡略化されたほうがミスは減ると、個人的に思うからして2ペダル化は有りだと思う。
3ペダルでクラッチとブレーキをヒール&トゥで回転合わせて、手漕ぎシフトレバーでシフトダウン! それをジャストミートさせることに快感を覚えていた還暦過ぎ(筆者)ドライバーは多くいるだろうが、いまや時代じゃない。
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2ペダルであればAT限定ドライバーだって愛車にできるし、より幅広いユーザーに向けたと言う狙いと解答も含めて現代のスポーツセダンに求められる要素はこうだろうとあらためて思う。