この記事をまとめると
■タイヤはクルマの消耗品のひとつ
■「適正処理困難物」に指定されている
■廃タイヤの処分・リサイクル方法について解説
適正な処理を行うことが義務づけられている
タイヤは消耗品だ。使用すればすり減って溝が浅くなり、使用に耐えられないようになれば廃棄されることになる。多くの場合、タイヤ交換を行うタイミングで、それまで使用していたタイヤが廃タイヤとして処分される。「廃」タイヤということは「ゴミ」なのだから、一般のゴミと同じように廃棄すればよさそうなものだが、そう簡単にはいかないのだ。
一般的な家庭ごみは「一般廃棄物」として自治体のルールにのっとり処分される。事業系のごみである「産業廃棄物」も、その処理費用の負担に違いはあるものの、処分されるときのプロセスはおおむね同様だ。これに対して自動車が廃車になる場合は、専門事業者がリサイクルできるものと廃棄するものに分別し、処分を行うというリサイクルシステムがある。家電製品の一部にも、同様のルールが適用されている。
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先にも触れたように、廃タイヤはゴミなので家庭から出れば一般廃棄物であるし、運送業者や車両解体業者などから出たときは産業廃棄物となる。しかし、「適正処理困難物」に指定されているために、通常の廃棄物処理ルートには乗せられない。専門業者に依頼して、適正な処理を行うことが義務づけられているのだ。
一般廃棄物として出た廃タイヤは、タイヤショップやカー用品店が有料で引き取り、回収業者に搬送を委託する。産業廃棄物として出たものは、排出事業者が直接回収業者に引き渡す。回収業者は中間処理業者(回収業者と同一の場合も多い)にもち込み、中間処理後に最終処分を行うという流れになっているのだ。この間、不法投棄などを防ぐためにマニュフェストという伝票を使用し、廃タイヤの流れがわかるようにしている。