この記事をまとめると
■V12エンジンを搭載したフェラーリのフルサイズ2+2GTに注目
■1972年の365GT/4 2+2から412まで派生しながら1989年まで生産を続けた
■コンディション次第ではオークションでも注目を浴びる存在だ
伝統のV12搭載クラシック
フェラーリのクラシックモデルといえば、それはカーエンスージアストにとっては憧れともいえる存在だろう。ちなみにフェラーリのクラシック部門である「クラシケ」は、自らクラシックモデルの定義を新車でのデリバリーから20年を経たものとしているから、それに従うのならば、現在では2005年以前のモデルはすべてクラシックとして位置づけられることになる計算だ。
今回は、どうしてもクラシック・フェラーリを手に入れたいと考えるエンスージアストならば、誰もが一度くらいは相場というものを調べたことがあるに違いない、もっとも身近なクラシック・フェラーリ。しかも伝統のV型12気筒エンジンを搭載するモデルに再注目してみたい。
それは1972年に誕生した「365GT/4 2+2」にはじまる、あの直線的なボディシルエットが特徴的なフルサイズ2+2GTだ。その後「400GT」、「400オートマチック」、「400i」、「412」といったモデルを派生しながら、最終的には1989年まで生産が継続されたこの世代のフルサイズ2+2GTとは、はたしてどのような魅力をもつモデルなのか。
フェラーリ365 GT/4 2+2のフロントスタイリング画像はこちら
365GT/4 2+2は、デイトナの愛称でも知られる2シーターモデル、あの365GTB/4のシャシーを流用して開発された豪華で実用的な、そしてもちろん高性能な2+2GTだった。ボディデザインはもちろんピニンファリーナの手によるもので、その端正でエレガントな雰囲気は現在でもなお魅力的なものに映る。いや、現在においてそれは、逆に新鮮な印象を受ける造形だと評してもよいだろう。
搭載されたエンジンも、シャシーと同様にデイトナから流用された60度のバンク角を持つV型12気筒。排気量は車名に掲げられる1気筒あたりの排気量、365ccからも容易に計算できるとおり4380ccの設定だが、ここで注目すべきはその最高出力である340馬力という数字。これはベースとなったデイトナのそれよりも、さらに15馬力のエクストラを得た計算で、フェラーリがいかにこの2+2GTの商品力を重要視していたのかがよくわかる。
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