GT300クラスチャンピオンが未来ある若手の育成に力を注ぐ! 「360号車 TOMEI SPORTS」【SUPER GT 2025 GT300クラス オールチームラインアップ】

若手たちの育成にも注力する名門チーム

 富士スピードウェイの近くにガレージを構える東名スポーツは、1990年代にポルシェで全日本GT選手権に参戦。その後しばらくはGTから遠ざかっていたが、2009年に復活し、翌2010年からはランナップグループとのコラボでGT300クラスを戦っている。

 「360号車 TOMEI SPORTS」【SUPER GT 2025 GT300クラス オールチームラインアップ】

 いままでにポルシェ、コルベットと車両を変えてきたが、2013年にNISSAN GT-R NISMO GT-Rへスイッチ。2020年の第7戦もてぎ大会では、上位グリッドからスタートするとセーフティカー導入も味方につけて、チーム初となる3位表彰台を獲得した。

 近年はチームオーナーでもある田中 篤と青木孝行に若手ドライバーが加わる形のドライバーラインアップとなるシーズンが多く、今年も荒川 麟に加え、FIA-F4出身の清水啓伸が第2戦富士でGTデビューを果たした。

 過去には、吉田広樹や大滝拓也、名取鉄平がこのチームからGTに参戦。名取は翌年には同じ日産系のKONDO RACINGへ移籍して力を発揮、現在はGT500ドライバーへと成長し、先日のスポーツランドSUGOで行われた第6戦では劇的なチャンピオン争いを繰り広げ、見事トップチェッカーを受けている。ステップアップのスタート地点はこのTOMEI SPORTSだったと言えるだろう。

 チームオーナーでもある田中 篤が望むのは「いい男」であること。自身も40年近くレース業界に身を置き、数々の“いい男”を見てきた。

 その田中のお眼鏡にかなったのが、2001年にダイシンADVANシルビアでGT300チャンピオンに輝いた青木孝行だ。2017年にチームに加入した青木は、田中曰く「天才肌の努力家」。どんなクルマも速く走らせるその技を、若手には吸収してほしいところだろう。

 対する若手ふたり。荒川 麟は2021年、2022年とFIA-F4でチャンピオン争いを繰り広げ、昨年GTデビューを果たした。チームでドライバーの腕と同時に男も磨いている真っ最中だ。早く自分の持ち味を出せるようになるか注目だ。

 そして今季、荒川に続いてGTデビューがかなった清水啓伸は、“かっこいいクルマ”に興味があるらしく、いまはポルシェが気になる様子だ。ふたりは名取ら先輩に続いていけるか。「若手は早くいい男に育って、巣立ってもらいたいね」と田中は楽しみにしている。

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