この記事をまとめると
■トラック増加によるSA・PA駐車枠不足で有料化が有効策といわれている
■短時間限定マスやコネクトエリアで長時間休憩解消を図られている
■乗用車の有料化も検討するともにモーダルシフトも必要だろう
状況を考えれば有料化は合理的な判断
高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SA/PA)での駐車が有料になるのでは? という話が、最近になって出てきた。理由はトラックの増加に、SA/PAの駐車枠が追いついていないため。その対策は、コロナ禍による物流量の増加や、いわゆる物流の2024年問題が話題になる前から始まっている。たとえば2019年からは、一部のトラック用駐車枠を対象として、駐車場予約システムの社会実験が行われてきた。
このうち東名高速道路の豊橋PA下りでは、2021年から有料に切替えた。深夜時間帯について、1時間を超えると中大型は15分60円、特大とダブルは15分125円という料金で、多くの車両が1時間以内の利用に収まったという。
さらに2023年からは、やはり一部のSA/PAで、「短時間限定駐車マス」の実証実験も始まっている。こちらは1時間以内の利用を想定していて、AIカメラなどを活用することで、駐車時間を判定し、利用者への通知を実施するという。
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では、長時間の休憩の場合はどうするか。こちらについては中継物流拠点「コネクトエリア」が整備されつつある。ドライバーやトラクタ(トレーラーヘッド)をここでチェンジすることで、労働環境向上につなげるものだ。
コネクトエリアを使えば、トラクタの交換でもぜいぜい30分以内で終わるし、ドライバーも交代するので長時間休憩の必要もない。輸送に余裕が生まれそうだ。このようにいろいろな対策は行われているものの、いつかは限界が来るわけで、トラック輸送そのものを減らす取り組みも必要だろう。
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長距離輸送を鉄道や船舶に振りわけるモーダルシフトは環境対策にもなる。日本の貨物輸送の9割はトラックが支えているといわれるが、じつはこれ、先進国のなかではかなりのトラック偏重である。
翌日配達や時間指定を望む消費者、必要な荷物だけをすぐにもってくるよう依頼する荷主などが、きめ細かい輸送ができるトラックに頼るのが原因だろう。安全かつ安定した物流のために、行きすぎた便利さを少し手放すことも必要だと思っている。
もうひとつ、最近の東京近郊の高速道路を走っていると、トラックの比率が増えたと感じている。東京の人口が増えれば、それだけ東京に運ぶ荷物は増える。運転手不足の対策のためにも、東京への一極集中を抑えることは必要だろう。
いずれにしてもいまは、駐車枠が有料になるのはトラックだけという感じだが、乗用車用枠にも短時間限定や有料化を取り入れてほしいところはある。首都高速道路の大黒パーキングエリアがそれ。スポーツカーやヒストリックカーのミーティングなどで、長時間駐車しているクルマをよく見かけるが、おかげで休憩という本来の目的のために停められないという声もある。
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キャンピングカーなどに乗っていて、宿泊のためにSA/PAを使うという人もいるだろう。でもホテルやキャンプ場は有料になっているのが普通。宿泊料という名目で有料にしてもいいのではないだろうか。本来の目的である休憩がスムースにできるよう、1時間を境に無料と有料をわけるという判断は、理に適ったものだと思っている。