この記事をまとめると
■日本でルノーのグランカングーなどが独自の立ち位置で人気を築いている
■対抗モデルとしてフォルクスワーゲンの現行マルチバンを提案
■乗用車らしく装備も充実しPHEVも用意されるなど魅力的な存在となっている
既存ミニバンの強力なオルタナティブ
日本市場において、ルノー・グランカングーやシトロエン・ベルランゴなどが独特の存在感を放っている。商用車ベースでありながら、ロングボディによって3列シートを得たことで、ヨーロッパ車らしいデザインと走りをもつ唯一無二のミニバンとなっているからだ。
国内市場にはそれらの仏製ミニバンの直接競合となる車種は存在しないが、海外に目を向けると注目したいモデルがある。それがフォルクスワーゲンの「マルチバン」だ。
フォルクスワーゲン・マルチバン(T7)画像はこちら
マルチバンは、1947年に誕生したタイプ2以来の系譜を正統に受け継ぐモデルである。フォルクスワーゲンの商用バンは現在3系統にわかれており、フォードとの共同開発による「トランスポーター」、完全新規のBEVモデルである「ID. Buzz」、そしてタイプ2の系譜を継ぐ「マルチバン」という構成になっている。
マルチバンには、現行T7世代で大きな変化があった。従来のT6までは商用車専用のプラットフォームを使用していたが、T7マルチバンはフォルクスワーゲンの乗用車プラットフォーム「MQB」に切り替わった。ゴルフやティグアンと同じ基盤を使うことで、乗り心地や操縦性など、クルマとしてのクオリティが大幅に向上したのだ。
ボディタイプは2種類が用意される。ショートボディは全長4973mm×全幅1941mm×全高1907mm、ロングボディは全長のみが5173mmに延長され、その200mmの差はラゲッジスペースの長さに充てられている。従って延長されるのは主にリヤオーバーハングとなり、ホイールベースは両者とも2850mmで共通となっている。
フォルクスワーゲン・マルチバン(T7)画像はこちら
ちなみにグランカングーのサイズは全長4910mm×全幅1860mm×全高1810mm。全長に関してはショートボディならば大きな差はないが、1900mmの分水嶺を優に超えるマルチバンの全幅が日本市場でどう捉えられるかという点は問題だろう。とはいえ、その1940mmという全幅が、ランドクルーザー250やBMW X4といった街でもそれなりに見かけるSUVと同一と考えれば、あながち非現実的なサイズというわけでもないかもしれない。