ホンダ「0」だけじゃなくてアキュラRSXも開発中止って残念すぎるだろ! ところでアキュラにとってビッグネームの「RSX」ってどんなクルマ?

この記事をまとめると

■ホンダはアキュラRSXの開発と販売を中止することを発表した

■RSXはもともとハッチバッククーペであったがSUVとして復活することになっていた

■新たなアキュラのスポーツカーの形を提案するモデルだった

復活に失敗したアキュラRSX

 2026年3月12日、ホンダは2026年以降のグローバル市場投入を視野に入れていたHonda 0シリーズのセダンとSUV、そしてアキュラRSXの開発・発売を中止する方針を発表した。

 Honda 0シリーズといえば、ホンダが三部敏宏社長のもとに進めてきた大胆な電動化戦略の象徴であり、いってみれば肝いりプロジェクトだ。従来の内燃機関を中心としたラインアップからの転換を図るうえで重要な役割を担っており、その先進的で大胆なスタイリングからメディアで取り上げられる機会も多かった。

 一方で、同時に開発中止がアナウンスされたアキュラRSXについては、日本でアキュラブランドが展開されていないこともあって、その詳細はあまり知られていなかったのが実情だ。

 では、アキュラRSXとはどんなクルマだったのか、ちょっと振り返ってみたい。

 RSXとは、もともとは北米市場で販売されていたモデルに由来する。2001年から2006年にかけて販売されたRSXは、日本の4代目インテグラ(DC5型)をベースとした3ドアハッチバッククーペであり、高回転型のエンジンと軽快なハンドリングで人気を博した。しかし、その後は同車名を引き継ぐモデルは長らく途絶えていた。

 そのRSXの名をホンダが久々に復活させることを明かしたのは2025年。それが今回の新生RSXだ。SUVのEVとして再出発を図り、電動化時代のアキュラを牽引する役目を担う、いってみればアキュラの象徴となるはずだったモデルである。

 プラットフォームは、同じくホンダが次世代EV戦略の中核として位置付けていた「Honda 0シリーズ」で採用予定だったEV専用アーキテクチャを活用。バッテリーを床下配置した低重心設計と自由度の高いパッケージングにより、そのスタイリングはクーペSUV的なシルエットで、従来のSUVとは一線を画すスポーティなプロポーションが与えられていた。

 パワートレインは前述のとおり完全電動化。デュアルモーターによる四輪駆動を採用し、瞬時のトルク応答と高いトラクション性能を両立。さらに、アキュラによって独自にスポーツチューンされたシャシーや最新の車載ソフトウェア「ASIMO OS」の搭載など、単なる電動SUVではなく「走り」と「知能化」を兼ね備えたモデルとして期待されていた。

 また、このRSXは、これもHonda 0シリーズと同じくアメリカ・オハイオ州に新設されたEV拠点、メアリズビル四輪車生産工場での生産が検討されていたという。今回、Honda 0シリーズ・セダン&SUVの中止により、その兄弟車であったアキュラRSXも開発・発売中止となったと考えるのが自然だろう。

 この決定は、多くのファンにとって衝撃的だったことであろう。なぜなら、RSXという名前は、単なる車名復活以上の意味をもっていたからだ。かつてのRSXは軽量なボディと高回転型エンジンを武器に「操る楽しさ」を象徴するモデルだった。その名が電動SUVとして復活することは、ホンダによる新しいスポーツカーの提案であり、「未来のアキュラ像」であったから。

 結果的に市販化には至らなかったものの、このRSXの存在が示したものは大きい。もはやスポーツカーの定義は、エンジン形式やボディ形状だけでは語れない時代となっている。電動SUVで「走りの楽しさ」をどう表現するかが問われているのである。

 かつてのRSXが「誰もが楽しめるスポーツカー」だったとすれば、2代目となるはずだったRSXは、「これからの時代におけるスポーツの形」を模索した1台だったといえる。たとえ幻に終わったとしても、そのコンセプトは今後のアキュラ、そしてホンダのクルマづくりに受け継がれていくはずだ。願わくは、幻となった2代目RSXに続き、また新たなコンセプトとスタイルを提案する3代目RSXが登場し、我々をワクワクさせてくれることに期待したい。


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