こんなんで公道走っちゃいかんだろ……でも合法!! EVもガソリンも1000馬力超えのこれぞアメリカな「化け物SUV」が出た

この記事をまとめると

■1000馬力のハイパートラック「スカーボ・ヴィンテージ SVローバー」が登場

■ディフェンダー風の外観に最新技術と強烈なオフロード性能を詰め込んだ

■従来の常識を超える新たなジャンルを提示している

英国×アメリカの融合が生んだ異端児

 アメリカではときどき、「これは本当に法律の範囲内なのか?」と首をかしげたくなるような魔改造マシンが製作される。スカーボ・ヴィンテージのSVローバーは、まさにその典型だ。

 米国のモータースポーツ企業スカーボ・ヴィンテージが「世界初の公道向けハイパートラック」と称して発表したこのモデルは、エンジン仕様とEV仕様の2種類を用意している。エンジン仕様はスーパーチャージャー付きV8で最高出力1100馬力、EV仕様は2基のモーターと75kWhバッテリーを組み合わせて1005馬力を発生。そのどちらもが「公道走行可能」として開発されているというのだから驚きだ。

 初代ディフェンダーを彷彿とさせる外観には、カーボンファイバーとアルミニウムを組み合わせたボディに、巨大なフレアフェンダーと無骨なアンダーボディプロテクション、そして前後LEDライトがあしらわれる。英国の正統派オフローダーから受け継いだシルエットを土台に、アメリカン・マッスルの文法で再解釈したデザインといえる。

 走破性能も見た目に負けていない。高さ調整機能付きのプッシュロッド式サスペンションは30インチ(76cm)ものホイールトラベルを実現し、タイヤは40インチのオフロード専用品を装着する。二輪駆動と四輪駆動の切り替えが可能で、前後ともにデフロックを装備。さらに後輪操舵システムとカーボンセラミック・ブレーキディスクまで備えており、「どこでも走れるし、ちゃんと止まれる」という自信の表れだろう。

 内装を見ると、このクルマの哲学がより鮮明に浮かび上がる。溶接むき出しの金属パーツがそのまま露出している一方で、12.3インチのデジタルメータークラスターと12.8インチのインフォテインメント・スクリーンが設置される。アルカンターラのスパルコ製バケットシートとエアコンも装備されており、タフさと快適さを両立させるという主張が全体から滲み出ている。

 ジョー・スカーボCEOは「SVローバーは、クラシックな英国デザインの懐かしさと、現代のアメリカン・マッスルやテクノロジーを融合させ、トロフィートラックの域を超えたドライビング・エクスペリエンスを提供します」と自信を見せる。

 同社はこれまでに、1967年のフェラーリ312へのオマージュモデル「SV F1」と、ポルシェ911由来の「SV RSR」を世に送り出しており、SVローバーはその3番目のモデルに位置づけられる。SV RSRの価格が93万5000ドル(邦貨換算約1400万円)であることを踏まえると、SVローバーはこれを上まわる価格設定になると予想される。生産台数については現時点で明らかにされていない。

 トロフィートラックの速さとオフロード性能、公道走行の実用性、そして1000馬力超という常軌を逸したパワーを詰め込む。そんなアメリカらしい欲張りな1台には、独特の魅力を感じざるを得ない。


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