この記事をまとめると
■旧車には前側を支点に開く“逆開きボンネット”を採用した車種が存在した
■2000GTやフェアレディZなど名車にも前ヒンジ式ボンネットが使われていた
■高速走行時の安全性を重視した設計だったが現在は歩行者保護などで減少した
旧車ならではの設計思想
エンジンルームにアクセスするために開くボンネット。ほとんどのクルマはフロントウインドウ側にヒンジがあって前側が大きく開くタイプを採用しているが、旧車などには前側にヒンジをもつ逆開きのボンネットをもつ車種も存在する。今回はそんな逆開きボンネットをもつモデルをいくつかご紹介しよう。
トヨタ2000GT
トヨタの伝説的な名車のひとつである2000GTは、1967年から1970年のわずかな期間のみ生産され、当時の最先端技術が余すことなく投入されたまさにフラッグシップモデルとなっていた。
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当時の新車価格は238万円で、これは当時のクラウンの2倍にあたるもの。一般のユーザーにはなかなか手の届くものではなかったが、それでも売れば売るほど赤字といわれるほどこだわりの詰まった車両であり、いまでは億を超える価格で取引されるのも頷ける1台だ。
日産フェアレディZ
欧州のスポーツカーに匹敵する性能をもつモデルを目指して1969年に初代モデルが登場したフェアレディZ。スタイルはロングノーズショートデッキのスポーツカーらしいもので、長いボンネットの下には直列6気筒エンジンが収められていた。
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この初代フェアレディZは思惑どおり海外で高い評価を得て、とくに北米地域ではかなりの人気を獲得。手ごろな価格ながら、欧州のスポーツカーに匹敵する性能をもつモデルとして歓迎されたのだった。
そして1978年に登場した2代目は大ヒット作となった初代の面影を色濃く残すキープコンセプトモデルとなり、フロントヒンジのボンネットも踏襲されていた。
マツダ・コスモスポーツ
世界初の実用、量産ロータリーエンジン搭載車として1967年に登場したコスモスポーツは、その革新的な心臓部に匹敵するような未来的なエクステリアをもっていたことも特徴として挙げられる。
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宇宙船と呼ばれることもあるそのボディは、極力つなぎ目のないフラッシュサーフェスなものとなっており、オープンカーにハードトップを被せたかのようなキャノピースタイルのキャビンも非常に斬新なものとなっていた。
そんな未来的なイメージをより強いものとしたのが前ヒンジのボンネットであり、圧倒的に低いボンネット高を静かに主張していたのだ。
日産マーチ(初代)
逆ヒンジのボンネットというとこれまで挙げたスポーツカーやハイパフォーマンスモデルに採用されるものというイメージが強いが、じつは初代のマーチも前ヒンジのボンネットを採用していた。
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マーチ以前の日産のFFコンパクトカーであるチェリーやパルサーも前ヒンジを採用しており、ある意味伝統的なスタイルとなっていたともいえるのかもしれない。ちなみに初代マーチをベースとしたパイクカーであるBe-1、パオ、フィガロの3車種も同じく前ヒンジのボンネットを採用していた。
このように、1980年代くらいまでの車両に前ヒンジのボンネットが採用されていた理由のひとつとして、走行風によってボンネットが予期せず開いてしまうことを防ぐためといわれている。
しかし、時代が進むにつれて歩行者保護や事故をしたときにボンネットが車内に進入するリスクなども考えられるようになり、いまではすっかり見なくなってしまったのだった。