AIのチカラで安全な交通社会を実現! トヨタがウーブン・シティで取り組む交通事故ゼロへの道

この記事をまとめると

■自動車ユーザーにとってAIが身近な存在になってきた

■トヨタでは歩行者や自転車などの動きをAIが理解するシステムの開発を進めている

■自動運転やロボット技術でフィジカルAIが実用化する動きが加速しそうだ

ウーブン・シティが人とクルマを理解する

 2020年代に入って、「AI(人工知能)」への注目が一気に高まった。そんなふうに感じている自動車ユーザーが多いだろう。スマホでもAIを活用したサービスやアプリがあり、自動車ユーザーにとってもAIが身近な存在になってきた。

 また、テレビやネットのニュースでよく登場する「ロボットタクシー」ではAIを活用しており、アメリカや中国ではすでに実用化されている。ロボットタクシーという表現するクルマについて定義があるわけではないが、一般的には「E2E(エンド・トゥ・エンド)AIベース」と呼ばれる手法によって自動走行してタクシー業務をこなすモビリティを指す。

 日本では2010年代から産官学連携のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)において、自動運転に関する技術、法律、人材開発、社会受容性など多方面に関する議論を進めてきたが、これは「ルールベース」と呼ばれる手法だ。ルールベースでは、高精度3次元地図やライダーなどが必要なためにコストが高いが、E2Eルールベースではカメラのみでも走行が可能でコストメリットがあるといわれている。

 一方、E2E AIベースの自動運転は安全性の確保が課題であり、ルールベースと連携する手法も考慮すべきだと考えられている。

 こうして自動運転でAIの重要度が高まるなか、トヨタではクルマだけではなく歩行者、自転車などの動きをAIが理解するシステムの開発を進めている。その内容について、トヨタとウーブン・バイ・トヨタがウーブン・シティ(静岡県裾野市)で実施したイベント「KAKEZAN 2026」で、トヨタ関係者から詳しく話を聞くことができた。

 それによれば、名称は「ウーブン・シティ・AIビジョン・エンジン」。カメラから得た映像を解析するためのマルチモーダル大規模基盤AIである。ここでいうマルチモーダルとは、テキスト、画像、動画、センサーデータなどふたつ以上の異なる種類のデータを統合して処理する技術を指す。

 具体的には、交差点などにカメラをおいて動画を撮影すると、そのなかに映る人やモビリティの状況と挙動を理解する。カメラの種類や質についてはあまり関係がなく、スマホの撮影を含めてどんな動画からでもデータ解析が可能だという。これにより、コストを抑制しながら交通事故の削減に向けたさまざまなサービスが可能になりそうだ。

 トヨタ以外にも、アメリカの半導体大手のエヌビディアを筆頭として、2026年を「フィジカルAI元年」と位置付けており、これを自動運転やロボット技術で実用化する動きが加速しそうだ。フィジカルAIは、前述のトヨタの事例にもあるように、AIが3次元でのモノの動きを理解・解析する新時代のAI技術だ。

 フィジカルAIは、クルマを含めた社会全体の在り方を大きく変えるのかもしれない。


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桃田健史 MOMOTA KENJI

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