デルタHFインテグラーレの熱狂が30年の刻を経て蘇る! 爆速EVホットハッチ「イプシロンHF」の胸熱すぎる中身

この記事をまとめると

■「HF」はランチアの栄光を象徴する称号である

■新型イプシロンHFは243馬力のEVとなっている

■ラリー復帰と新世代HF展開にランチアへの期待が高まる

新生ランチアが描く「HF」復活計画

 ランチアとHFという組み合わせに反応してしまうクルマ好きは、相当数いるはずだ。HFとは単なるグレード名ではない。1987年から1992年にかけてWRC(世界ラリー選手権)を6連覇し、そのあまりの強さから「ラリー界の皇帝」と称された「デルタHFインテグラーレ」のDNAを受け継ぐことを意味する称号である。

「HF」の起源は意外にも古く、1960年のジュネーブ・モーターショーに遡る。新車を6台以上購入したもっとも忠実なカスタマーが加入できる「ランチアHFクラブ」として設立されたのが始まりで、「HF」は「High Fidelity(高い忠誠)」の略だ。

 ステランティス・グループのもとで復活を果たした新生ランチアは、2024年にフル電動の新型イプシロンを発表し、ブランド再起動の第1歩を踏み出した。そしてほどなく発表されたのが「イプシロンHF」だ。

 かつてパフォーマンスを極めたランチアの戦うスピリットを表現するモデルとして開発されたイプシロンHFは、システム最高出力243馬力を発揮するフル電動パワートレインを搭載し、0-100km/h加速5.8秒を誇る。トレッドはワイド化され、専用のローダウンサスペンションを装備する。

 HFロゴも2024年3月に新たにデザインされた。歴史的なHFロゴをベースにラインとフォルムをシンプルにブラッシュアップし、現代的なセンスで再解釈。新型イプシロンHFのフロントセクションやステアリングホイールにも、この新たなHFロゴが配置される。

 外観はカーボンファイバー製パネル、専用20インチホイール、ブレンボ製ブレーキ、張り出したホイールアーチで標準イプシロンとの差別化を主張する。インテリアはアルカンターラのスポーツシート、カーボン素材のアクセント、専用スポーツペダルで武装し、デルタHFインテグラーレが纏っていた実戦的な緊張感をEVの時代に解釈し直した空間に仕上げられている。

 イプシロンHFの発表と同時に、ランチアはラリーへの正式復帰を表明した。「ラリー2」「ラリー4」ふたつのカテゴリーに向けてマシンが用意され、そのうち前車のイプシロンRally2 HFインテグラーレは、先日開催されたラリージャパンにも出場。9つのSSで勝利し、優勝を飾った。

 ランチアが描く「HF計画」はイプシロンにとどまらない。ニューモデルであるガンマとデルタにもHFバージョンが投入される予定であり、3兄弟が揃ったとき、新生ランチアのブランドイメージはひとつの完成形に達するはずだ。デルタHFインテグラーレが最後のWRC王座を獲得してから30年。新たな物語が幕を開けようとしている。


この記事の画像ギャラリー

新着情報