R32GT-Rで語られるべきはRB26エンジンとアテーサE-TSだけにあらず! 純正シートが誇る衝撃のクオリティとは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■第二世代GT-Rは世界中で人気が高い名車だ

■R32GT-RとR33GT-Rに採用されていた純正シートはいまでも高い人気を誇っている

■張り替え用の表皮やシートカバーも多数リリースされている名品だ

日産ファンに長年愛される伝説のシート

 ネオクラシックカー世代におけるクルマの雄ともいえる存在が、日産の第二世代GT-Rと呼ばれている、R32〜34までのスカイラインGT-Rだ。その第二世代のファーストモデルがR32だった。ちなみにこのR32は、排ガス規制などの問題からたった200台弱の販売で終わってしまった「ケンメリ」の愛称で親しまれたスカイラインGT-Rの販売終了から16年後に誕生したモデルで、当時大きな話題になった。

 いまでも語り継がれる名車が続々と世に放たれた1989年にデビューしたこのモデルは当時、日本でもっとも人気が高かったレースのひとつであるJTC(通称:グループA)で圧倒的強さを誇っていた、フォード・シエラRSコスワースを叩きのめすために日産が作り上げた、レースに勝つことだけを考えたサラブレッドだった。

 その後の活躍はわざわざ語るまでもなく、あまりの強さからフォード・シエラ勢は以降、日本国内におけるJTCの参戦を断念したほどだ。デビュー戦は2台投入され、いままでR31スカイラインGTS-Rで敵わなかったフォード・シエラ相手に、2周もの大差をつけて圧倒的勝利を飾ったエピソードも、GT-R神話のひとつだ。

 さて、そんなR32GT-Rを語る上で欠かせないのが、心臓部に搭載された名機「RB26DETT」と、FRと4WDのいいとこ取りをしたような、当時における最先端を誇った四輪制御技術、「ATTESA E-TS」 のふたつ……と、いいたいところなのだが、今回紹介するのはこのふたつではない。ズバリ、今回の主役はR32GT-Rに装着されていた”純正シート”である。

 R32GT-Rに採用されているこのバケットタイプのシートは、「ただの純正シート」で片付けるにはあまりにも惜しい逸品なのだ。

 まずこのシート、日産では「モノフォルムバケットシート」という愛称がつけられており、素材は日本が誇る素材メーカー、東レのエクセーヌが使われている。スウェードのようなしっとりした肌触りと、衣服が吸い付くグリップ力が自慢の生地で、スポーツカーのシートには最適な素材だ。もちろん一般的な生地よりもコストがかかるので、当時の日産のフラッグシップスポーツカーに相応しい素材チョイスだともいえる。

 そしてこのシート、全体的に薄い作りになっている点も特徴だ。そのため、車両のフィーリングが体に伝わりやすく、座面も低いので視線も一般的な乗用車のシートと比較して低く構えられる。また、この恩恵として、ヘルメットを被ってサーキットを走る際、天井とのクリアランスも稼げる点も評価されていた。さらにベルトホールも開けられているので、4点式ベルトなどもここから通すことができる機能も備えていた。

 とはいえ、「所詮純正シートでしょ?」と思う人も少なくない。しかし、いざ座ってみるとシート全体が薄く見えるのだが、ホールド性は見た目以上に高い。座面にしっかり体が密着するので、低めのサイドサポートでもいい具合にタイトだ。それでいて、純正シートらしく乗降性もいい。見た目こそ地味だが、相当に考えられて作られている。当時のジャーナリストも、「このままでいい」というほどであった。


この記事の画像ギャラリー

WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

編集者

愛車
ホンダ・シビックタイプR(EK9)/スズキ・ジムニー(JA11)
趣味
写真/ドライブ/サーキット走行/クルマ弄り/スノーボード/ダーツ/自転車/その他多数
好きな有名人
大泉 洋/織田裕二/篠原みなみ

新着情報