この記事をまとめると
■スマートは新型「#2」のデザインを世界6都市のミューラルで初公開した
■各都市のアーティストがデザイン哲学を壁画で表現
■新型#2はふたり乗りコンパクトEVとして「フォーツー」の精神を受け継ぐモデルとなる
スマートの原点にアートあり
新型車のデザインをお披露目するとき、自動車メーカーが選ぶ手段はだいたい決まっている。目を引くティザー動画、ウェブサイトでのカウントダウン、あるいは高級ホテルでの発表会。しかしスマートが選んだのは、そのどれでもなかった。
世界6都市のビルの壁面を使ったミューラル(壁画アート)。これが、スマートがニューモデル「#2」のデザインを世界に初めて見せるための手段だ。
スマート#2 ミューラル ブエノスアイレス画像はこちら
じつは「スマート(smart)」というブランド名には「s+m+art」の意味が込められている。スウォッチ(Swatch)とメルセデス(Mercedes)の合作として1998年に誕生したこのブランドは、設立当初からアートを企業DNAの一部として位置づけてきた。アートによって新型車のデザインを先行公開する異例の取り組みは、その起源を思い出させてくれるものだ。
ベルリンでは歴史的建造物「イーストサイドギャラリー」を舞台に、メルセデスのグローバルデザインチーム自身が壁画を描いた。スマートの欧州CEO、ヴォルフガング・ウーファーはこう語っている。パリでは、滴り落ちるようなキネティックなスタイルで知られるフランスのストリートアーティスト、Brusk(ブラスク)が担当。彼の作風は、「静止した壁を視覚的なアドレナリンに変える」と評される。このパリのミューラルは、10月に開催されるパリモーターショーでの正式デビューへの序章として位置づけられている。
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上海では現代アーティストのZhu Binが伝統的なモチーフとネオン色に彩られたモダニズムを衝突させた表現で#2のシルエットを描いた。香港の高密度な都市空間では4人組ストリートアートコレクティブ「Parents Parents」が「超コンパクトなフットプリントこそが混雑した都市での最大の武器」というメッセージをミューラルに込めた。
ブエノスアイレスでは国際的に活躍するアーティスト、マルティン・ロンがマジカルリアリズムとアルゼンチンを象徴する色彩で物語を紡ぎ、メルボルンでは現代アーティストのジョージア・ローリーが映画的なビジュアルストーリーテリングで#2を都市景観に溶け込ませた。
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新型スマート#2というモデルについても改めて触れておきたい。現在のスマートは#1・#3・#5というSUVやクロスオーバーに軸足を移してきたが、#2はそのなかで唯一、ふたり乗りコンパクトというオリジナルの「フォーツー」精神に立ち返るモデルだ。
スマートが独自開発した「ECA(エレクトリック・コンパクト・アーキテクチャー)」プラットフォームを採用し、全長2792mmという軽自動車規格以下のボディにふたりぶんのキャビンを収める。6月のローマでのイベントで示されたコンセプトでは、明るくオープンな2シーター空間と、スマートフォントレイや傘収納などきめ細かい使い勝手が紹介されており、すでに市販版に近いとされるテストカーも走行している。
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ミューラルのビジュアルから読み取れる外観は、前世代のコンセプト#2が提示したサイドシルエットのコンパクトさを受け継ぎながら、「愛らしくも予想外のディテール」で、ブランドの「Love, Pure, Unexpected」というデザイン哲学を体現しているという。
街の壁から始まるクルマの物語。それがスマートの選んだ、もっともスマートらしいやり方なのだ。