この記事をまとめると
■オペルのミニバンであるザフィーラには「OPC」というホットモデルが存在した
■7人乗りミニバンに200馬力級の2リッターターボエンジンを搭載
■専用足まわりと5速MTでスポーツカー並みの走りを実現した
7人乗りとスポーツ性能を両立
ホットハッチという言葉はあるが、「ホットミニバン」という言葉は一般的ではない。そもそもミニバンが隆盛を見せて久しいのも日本に固有のことであるし、スポーティな走りが期待されるジャンルでもない。数えきれないほどのミニバンが生まれた日本車でも、アルファードやエルグランドのV6モデルなどパワフルなエンジンを押し込んだモデルこそあったが、スポーツカー的な要素を前面に押し出したモデルはほぼ皆無といっていい。
しかし、掛け値なしに「ホットミニバン」と呼べる稀有な1台がドイツに存在した。それが「オペル・ザフィーラOPC」だ。1999年に登場した初代オペル・ザフィーラ(A型)は、欧州で大ヒットしたコンパクトミニバンで、「Flex7」と呼ぶ独自のシートシステムにより7人乗りと広大なラゲッジスペースを両立するパッケージングの革新性が評価された。日本国内にもヤナセの手によって輸入されたほか、OEMモデルがスバルから「トラヴィック」として販売された。おそらく日本国内ではこちらのほうが知名度が高いだろう。
そのザフィーラに、オペルの高性能スポーツ部門であるOPC(オペル・パフォーマンス・センター)が手を加え、スポーツカー並みの動力性能をもたせたのがザフィーラOPCだ。
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エクステリアは専用前後バンパーと17インチアルミホイールによって攻撃的に仕立てられ、内装を見ても前席のレカロ製スポーツシートとホワイトメーターが刺激的な走りを予感させる。タイヤは225/45R17というファットかつ低扁平なサイズで、専用スポーツサスペンションとともに「走る・曲がる・止まる」の性能を底上げする。
心臓部の2リッター直列4気筒ターボエンジンは、登場当初の2001年式で192馬力/250Nmを発生し、2003年モデルからは出力を200馬力へアップデート。組み合わされるトランスミッションは5速MTのみで、0-100km/hを8.2秒でこなし、最高速度は220km/hをマークした。
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それでいて、シートアレンジや荷室容量といったユーティリティはベースモデルと同等。「走り好きのお父さん」にはまさにもってこいのモデルで、2005年の生産終了まで約1万2000台と、ニッチなモデルにしてはそれなりの台数が販売された。
その需要を受けたためか、2代目ザフィーラにもOPCモデルは引き続き設定。コンセプトを崩すことなく、エンジン出力は240馬力に増強。結果として0-100km/h加速は7.4秒、最高速度は231km/hとそのスペックはさらに進化した。
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7人乗りのスポーツカーという矛盾をどこまでも真面目に追求したドイツ人の仕事を見ていると、ザフィーラのOEMモデルであるトラヴィックにもOPC同等の仕様があれば……と思わずにはいられない。限定車ではあるものの、トラヴィックの実質的後継であるエクシーガにはスポーツモデルの「tS」が登場したのだからなおのことである。