走り屋あがりの家族もちオヤジが歓喜した! いまや絶滅危惧種の「バカッ速ミニバン」6台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ミニバンは、運転の楽しさとは無縁と思われるが走りや加速が自慢のモデルが存在する

■大排気量ミニバンは、トルクフルでスムースな加速性能をもつ

■V6ガソリンエンジンを積む大パワー・大トルクを誇る国産ミニバンは絶滅危惧種となった

走りの楽しさを思う存分に味わえるミニバン6選

 ミニバンは、ファミリーのための運転の楽しさとは無縁の多人数乗用車、アルファードのようにVIPをゆったり乗せるためのエグゼクティブカー……だけのクルマだと思っていたら大間違いだ。

 ミニバンのなかには、想定外にスポーティな走りを実現したモデルもあり、また、直線番長的ではあるものの、大迫力の加速が自慢のモデルもある(あった)のだ。

 ここでは、そんなミニバンの過去から現在に至るモデルをふたつのカテゴリーに分けて紹介したい。

 まずは、加速自慢のハイパワーミニバンだ。

●ホンダ・エリシオンプレステージ 300馬力

 その筆頭、というか、国産ミニバンとして初めて大パワー、大トルクエンジンを搭載したのが、2003年にデビューしたホンダのラグレイトの後継者となるエリシオンに、2007年に加わった「プレステージ」グレードだった。

 何しろパワーユニットはホンダのフラッグシップサルーンのレジェンドに準じる3.5リッター V6で、その最高出力は国産ミニバン初の最高出力300馬力、最大トルク36.0kg-m! というスペックだった。

 結果、2t前後のミニバンボディをダイナミックかつトルキーに怒涛の加速力の世界へと誘ってくれたのである。もちろん、ホンダのフラッグシップミニバンゆえ、轟音とともに加速する、という感じではなく、静かに速い! という記憶が残っている。0-100km/h加速は8秒台前半というのだから凄かった。

 当時あったトヨタ・エスティマ3.5リッターV6モデルやマツダMPVターボはもちろん、体感としてドイツ御三家の2.4リッター級のセダンよりも速かったのだ。

●トヨタ・アルファード&ヴェルファイア30系 301馬力

 先代30系アルファード&ヴェルファイアが2017年12月に行ったMCで加わった3,5リッター V6エンジン搭載車もミニバンのパワーウォーズを代表する1台。

 アルヴェルの上級顧客の期待に応えるべく、V6エンジンを一新。北米仕様のシエナ、ハイランダー、カムリ……と積まれてきたトヨタとして国内初のD-S4 3,5リッターV6 301馬力、36.8kg-m+8速ATのFF用ユニットを新搭載。0-100km/h加速は約8.2秒(以前のV6エンジンは8.5秒)。HVの10.7秒、2.5リッターガソリンの11.3秒を圧倒する駿足ぶりだった。

 もっとも、加速は暴力的ではなく、強大なトルクを生かしたあくまでジェントルに速い……というクルマのキャラクターに合致する加速フィールを基本とするが、アクセルペダルを深々と踏み込めば、それはもう血の気が引く怒涛の加速力をウルトラスムースに発揮してくれたのである。

 現行アルヴェルにV6エンジン搭載車はないため、中古車で狙い目の1台といってもいいかも知れない。

●日産 エルグランド 280馬力

 現行のハイエンドミニバンで唯一、3.5リッターV6エンジン搭載車となるのが日産エルグランドだ。そのスペックはハイオクガソリン指定となる280馬力、35.1kg-mというもので、速さの感覚としては豪放、ダイナミックという感じで、いい換えればアメリカンV6のようなおおらかでもある直線での加速力が自慢だ。

 ハイパワーミニバンにして、乗り心地がいいのもエルグランドならではだろう。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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