この記事をまとめると
■デコトラの硬く大きな飾りが事故の被害を抑えた事例がある
■加飾が乗用車の潜り込みを防ぎキャビンを守った
■ハンドルを握る以上は安全運転を心がけたい
デコトラの飾りが命を救った
日本独自の文化として知られるデコトラ。そんなデコトラの飾りといえば、大きくせり出したフロントバンパーなどを連想する人が多いだろう。そんな飾りは突起物とみなされることが多いため、デコトラは危険な乗り物だと認識している人も多いに違いない。
確かにステンレスや鉄という硬い素材で製作された飾りは危険だと思われても仕方がないが、デコトラの飾りがあったからこそ大事に至らなかった事故も存在する。今回はそんな実例をご紹介しよう。
まずは、加害車両である乗用車のドライバーが助かった事故。深夜の国道で信号待ちをしていた大型トラックに、後続の乗用車がノーブレーキで追突した。原因は乗用車側の居眠り運転だったのだが、一命を取り留めることができた。その追突した相手である大型トラックが、後部を飾った大型トラックだったのである。追突されたトラックドライバーが自ら通報し、駆け付けた警察官に次のような言葉をかけられた。
装飾付きリヤバンパー画像はこちら
「これだけたくさんテールランプが付いていると、後続車は確認しやすいね。今回は居眠りだったから気付かずに追突してしまったんだろうけど、大きなバンパーのおかげで、乗用車がトラックの下に潜り込まずにすんだ。潜り込んでしまうと、どうしても首から上にダメージを受けてしまうからね。このバンパーだったから、命が助かったんだと思うよ」。
大型トラックには国が定めたリヤバンパーの装着が義務付けされているが、地上高が高くなってしまうため、追突した乗用車が潜り込んでしまうのだ。このケースでは対策バンパーに加えてステンレス製のリヤバンパーが取り付けられていたため、最悪の事態を避けることができたのである。
お次は、デコトラのドライバーが助かったケース。派手に飾った4トントラックが、箱型の大型トラックに続いて信号待ちをしていた。そのとき、後方から大型トラックが追突してきたのである。4トントラックは衝突のはずみで前方へと押し出され、箱型の大型トラックに衝突。そのままサンドイッチ状態になり、最初に追突してきた大型トラックのドライバーは亡くなってしまった。そして挟まれた4トントラックのドライバーは衝撃のためドアが開かなくなり、レスキュー隊が到着するまで待たされることになった。その現場に駆け付けた警察官が発した言葉は、次のとおりだったという。
装飾付きフロントバンパー画像はこちら
「前に大きな飾りをつけていたから、運転席そのものが潰れてしまうことを避けられた。普通なら命を落としていても不思議ではない事故だけど、運転手さんを取り巻く空間がきちんと確保されている。これは奇跡だよ。レスキュー隊が到着すればドアを切断して救出するから、もう少し頑張って耐えてください」。
フロント部分に装着されたバンパーなどの飾りが前方のトラックに衝突したことで勢いを和らげ、運転席を含むキャビンが潰れずに済んだ。その結果、ドライバーを守ることができたのである。
以上のような事故は、比較的まれなケースであるかもしれない。それでも、トラックを飾っていたからこそ命が救われたのは事実である。改造することを推奨するわけではないが、デコトラ乗りは基本的にトラックを大切にしている。だからこそ、トラックが身を挺して命を守ってくれたのかもしれない。いずれにせよハンドルを握る以上は愛車を大切に思い、事故の加害者にも被害者にもならないよう常に安全運転を心がけていたいものである。
※画像は事故の当事車両ではなくイメージです