この記事をまとめると ■フィアットからグランデパンダの上陸が発表された
■初代の特徴を現代風にアレンジして織り交ぜた点が特徴だ
■イタリア本国と日本では違った商品展開をしているの
初代の雰囲気を現代流にアレンジ! 10月16日に発表となった「FIAT Grande Panda Hybrid」。文字どおり”PANDASTIC”をキーワードにした新型は、日常の暮らしをもっと楽しくするBセグメントのコンパクトSUVとして登場しました。今回は発表会会場でインポーターの商品担当者の話を聞きつつ、注目のデザインについてチェックしてみます。
フィアット・グランデパンダ発表会の様子 画像はこちら
●レトロではなく、コンセプトを引き継ぐ 新型のスタイリングは、なんといっても初代をイメージしたボディシルエットが特徴です。G.ジウジアーロの手によって1980年に誕生した初代は、虚飾を廃したスクエアかつ合理的なボディにより、実用コンパクトハッチの原型を作り上げました。新型はこの思想を受け継いだのですが、しかし、なぜ4代目にして初代に立ち返ったのかは気になるところです。
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「初代を知っているファンの皆さんには、これがパンダの正統な系譜であることを示し、一方で初めてフィアットに触れる方には、ほかにはないオシャレさや新しさを感じて欲しいと思いました。ただ、単にレトロに戻るのではなく、あくまでコンセプトを継承したということですね(Stellantisジャパン株式会社 イタリアンブランド事業部 黒川進一さん(以下同))」
なるほど。たしかに新型はブラックパネルのフロントや、リヤのテールランプ周囲の立体構成がスクエア感を出していますが、初代ほどの直線基調ではないし、キャビンの形状も一般的です。
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「フィアットの旧自動車工場であるリンゴットの窓から発想したピクセルデザインも、今だからこそできた表現なんですね。そうした新しさがありつつ、非対称のグリルなどで初代も感じさせる……」
ピクセルデザインは最近のヒョンデで話題になったし、ロアグリルのグラデーションはシトロエンや日産のエルグランドでも見られる最新の表現です。それらを初代のイメージと融合させることがポイントのようです。
●よりシックなポップさを届けたい 立体的な造形の取り組みとしては、ドア下部のPANDAのレタリングをプレスしたパネルも大きな特徴です。近頃はメーカーや車名をボディの随所に散りばめる例が見られますが、リヤパネルのFIATロゴも含め、新型もその流れにあるようです。そんなに名前をあちこちに載せなくても……とは思いますが、あくまで立体表現が主目的と思えばこれもアリかと。
フィアット・グランデパンダのロゴ 画像はこちら
それよりも、単に初代の焼き直しではないとは理解しつつ、サイドガラスの面積をもう少し広くし、かつ、強いキャラクターラインを引くことでボディ全体を引き締められなかったか。あるいは、プレスドアとして凝縮感を強められなかったかな、とは思うところです。
フィアット・グランデパンダの車内 画像はこちら
エクステリアでは、ボディカラーも気になるところ。こうしたシンプルなコンパクトボディには明るくポップな色がよく似合いますが、イタリアの風景をモチーフとした4色の設定は、メインカラーの「リモーネイエロー」以外は渋めの選択になっているのが気になります。
「イタリアと日本ではフィアットのポジショニングが異なるんですね。ポップなイタリアに対し、日本はよりシックなポップさを狙っている。なので、イタリア本国にはもっと明るい色があるのですが、今のところ日本ではこの4色としているんですね」フィアット・グランデパンダ 画像はこちら
最後にインテリアですが、特徴的なオーバル形状は、リンゴットの屋上テストコースをモチーフとしたそう。スクエアなエクステリアと丸いインテリアの対照という面白さがウリですが、それよりも明快なテーマでシンプルに仕上げたこと自体に価値があると思えます。最近は質感向上のために「盛り盛り」なインパネデザインをよく見かけるなか、こうした抑制ある造形は大歓迎です。
フィアット・グランデパンダの車内 画像はこちら
エクステリアデザインには若干の注文が残りますが、EVではなくガソリンハイブリッドを設定した商品企画は、初代のイメージと相まって、フィアットに久々のヒット作をもたらすかもしれませんね。