【失敗しないR32・R33・R34GT-R選び】エンジンルーム編 (2/2ページ)

まずは全体を良く見る

 まずはエンジンルームが左右対称に見て違和感がないかを見る。特にストラット部分の接合部の位置、フェンダー本体、接合ボルトの色などを確認。交換されている部品には新しさがあるし、長年使われていた部分は劣化が見える。全体にじっくりと見てみる。次にキャップ類を開けて内部を確認。オイルが黒いのは気にしなくていいが、少しオイルを触って粘り気がなく、ザラザラした感触があるなら、それはスラッジ。「どのくらいがダメ?」というのは難しいが、新品オイルや愛車のオイルを触って感触を確かめておくのも一つの目安となる。キャップの裏に白濁があると、エンジンに水が混入したことも考えられるが、あまり動かしてないクルマや街乗りメインのクルマにも起こることがあるので、あくまでも参考に。冷却水を開けるとクーラントにオイルが浮いているのは問題(キャップ裏に珈琲色の膜)。最悪はシリンダーヘッドの歪みなども考えられるので、注意。クーラントは緑と赤がありますが、新品の色と比べて変色していればしているほど、交換していないことになる。

 次はカムカバーまわりのオイルの滲みやインジェクターからの燃料漏れは誰でも見つけることが可能。後者はインテークマニフォールドの劣化に繋がることもある。スロットルボディのふちに少し見えるガスケットが変色していた場合はエアの吸い込みの可能性あり。交換工賃が高いので気を付けたほうがいい。オイルの滲みや漏れに関しては各部をくまなく点検すべきだ。

 各種ゴム類はなかなか交換しない部品。経年劣化していることが多いので、触れる部分は弾力があるかを確認しておきたい。すぐにトラブルに繋がることは少ないが、接合部のパイプ類はほとんど腐食している。また、タイミングベルトやエアコンベルトなども亀裂がないか、を確認。念には念をいれておきたい。タービンはおおよそ10万kmが交換の目安。

生産終了から20年以上が経過しているだけに、ゴムが経年劣化している可能性がある。手で触って弾力があるか判断!
生産終了から20年以上が経過しているだけに、ゴムが経年劣化している可能性がある。手で触って弾力があるか判断!

 エアインレットパイプと前面のゴムパイピングの接合部にススが見え始めたら危険信号。特にR34のボールベアリングタービンは寿命が短い。ハーネス類はエンジン内の熱と経年劣化でほとんどが硬くなっている。ヘタに触るとカプラーなどがパキッと折れるかの性がある。特に冬はプラスチック部品が硬化しやすいので慎重に。エアクリーナーボックスを外してクリーナーの状態も見てみたいが、取り外しも取り付けもかなり面倒なので、どうしても確認したい場合はショップのスタッフにお願いしてみよう。

R32型のエアクリーナーボックスは手を入れる隙間が少なく、取り外しが面倒なため、フィルター交換がおろそかになりがち
R32型のエアクリーナーボックスは手を入れる隙間が少なく、取り外しが面倒なため、フィルター交換がおろそかになりがち

 最近では少々ヘタっていてもエンジン添加剤を入れることで短期的に性能を回復することもできるので、目視だけで、エンジンのコンディション把握は非常に難しい。エンジンは冒頭で記述した通り、載せ換えるもしくは、オーバーホールをする覚悟が必要。長く乗るためにはメンテナンスの予算まで含めた予算の確保が必要あのである。次回はエンジンを始動して判断できるポイントへと話を進めたい。
(文:GT-R magazine)


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