懐かしいグループ4前夜のラリーカー(1961-1982年)[ランチア/フィアット/ルノー] (2/2ページ)

★ラグジュアリーでもラテンの血は争えない★
1965 FIAT 2300S Coupè

 当時のフィアットとしてはビッグセダンとなる2300をベースに、ギアが2ドアのクーペボディを架装したモデルが61年にデビューした2300クーペ。スポーツカーというよりもラグジュアリーなGTというべきモデルだが、ノルマーレで105馬力だった2.3リッター直6エンジンは、ツインキャブを装着した2300Sクーペでは136馬力にパワーアップされていた。いくらラグジュアリーでも、やはり熱きラテンの血が流れているのは明らかで、このようにラリー仕様にチューニングされ、実戦にも参加していた。ラリー仕様での最高出力は160馬力にまでチューニングが施され、最高速も190km/hをマークしていた。イタリア北部、ロマーノ・デッツェリーノにあるルイジ・ボンファンティ-フィマール自動車博物館で、2013年の12月に行われたラリー車に関する企画展で撮影。

★HFのエンブレムが総てを物語る★
1966-69 Lancia Fulvia Coupé Rallye 1.3 HF & 1969-70 Lancia Flavia Coupé Rally 1.6 HF

 フルビアはランチアが1963年にリリースした小型乗用車。戦後、高い評価を受けていたアッピアの後継モデルで前輪駆動にコンバートされていたのが大きな特徴だった。アントニオ・フェッシア教授が設計を担当、エンジンは戦前の名車、ラムダと同様の挟角V4を搭載。フィアットに吸収される前、最後のランチアとも呼ばれる傑作車。その名を高めたのは、やはりラリーによる活躍で、65年に登場したクーペモデルでは、早い段階からHF(High Fidelityの略)と呼ばれるグレードがラインナップされていた。これは63年にランチア遣いが集まって結成されたチーム≪HFスクアドラ・コルセ≫に因んだもので、以後もラリーに向けたランチアの高性能車にのみ与えられることになる。フルビアではクーペ・ラリー1.3HFや同1.6HFが有名。青・黄の細いストライプが映える1.3HFはマノワール博物館で、LANCIA-ITALIAのロゴが眩しい1.6HFは昨年のレトロ・モビルで撮影。

 [関連記事]

WRCで活躍した精鋭の2WDマシン(1973-1982)

技術革新に挑んだF1GP[2016新春モータースポーツ企画]

熱狂のシルエットフォーミュラ時代(1976-1981)


新着情報