最新は本当に最良だったか
燃費中心にテストしてみたが、4代目の好成績は十分に予測できた。しかし初代の健闘は予想すらしていなかったので意外だった。
初代のシステムは大別すると前期と後期にわかれる。今回の車両は最終モデルの後期仕様であり、バッテリーが小型高効率化されリヤトランクに低い位置にマウントされるようになったのだ。
初代のパッケージングは当時トヨタが積極的に取り組んでいた「トールセダン」の流れを汲む。高いヒップポイントで乗降性を高めリヤルーフも高いので、後席ヘッドクリアランスにゆとりがある。そこだけを見れば最新型もおよばない。2代目、3代目はスポーツ路線に振られたハイブリッドモデルとして硬めのサスペンションセッティングと高い動力性能を授けられていた。
力強さにおいては最新型をも凌ぐといえるが、ハッチバック化された2代目は後席ヘッドクリアランスに難がある。また3代目はスポーティなインパネと低いヒップポジションから前方視認性が悪化していた。
最新の4代目では初代の美点を蘇らせ、2、3代目の力強さを兼ね備え、新型としての新しい魅力を備えさせられたといえる。
とくにダブルウイッシュボーンとなったリヤサスペンションの役割は大きい。後輪接地性が高められたことで前輪の接地感、ステアリングの保舵感も向上し正確なライントレースが可能となるなどハンドリング面でも貢献しているのはいうまでもない。加えて乗り心地の向上も果たしている。そのレベルは欧州車に匹敵すると表現しても差し支えないほど高い。
そして今回確認した好燃費だ。 実用レベルで30km/Lを記録するというのは本当に驚きである。かつて自動車の燃費最終目標値と欧州でいわれた3L/100kmをほぼ達成しているのだから。
今回の結果を通して、4代目はプリウスの歴史のなかで大きなステップを踏んだと確信した。